第198回国会 参議院 国土交通委員会 第12号

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○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、北村経夫君、松下新平君及び高橋克法君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君、赤池誠章君及び二之湯武史君が選任されました。
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○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省自動車局長奥田哲也君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(羽田雄一郎君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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赤池誠章君 自由民主党赤池誠章でございます。
 今回の道路運送車両法の改正に当たりまして、改めて背景、意義及び立法事実に関しまして国土交通省の見解をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動運転は、その実現によりまして、交通事故の削減、高齢者等の移動手段の確保、物流分野における生産性向上等、我が国が抱える様々な社会課題の解決に大きな役割を果たすことが期待をされております。
 このため、政府では二〇二〇年度を目途に、高速道路におけるレベル3の自家用車自動運転限定地域でのレベル4の無人自動運転移動サービスを目標として掲げ、その実現のために必要な道路交通関連制度見直し方向性を昨年四月に自動運転に係る制度整備大綱として取りまとめたところでありまして、道路運送車両法に基づく自動安全確保のための制度についても見直す必要がございます。
 本法律案は、このように自動運転車の実用化が見込まれることや制度整備大綱を踏まえ、自動運転車等の設計、製作者等に対する規制を新設すること等により、自動運転車等に対する設計、製造過程から使用過程にわたる総合的安全確保策を講じ、安全な自動運転車等の開発、実用化、普及を図ることを目的といたしております。
 具体的には、今回の改正によりまして、保安基準対象装置への自動運行装置の追加、自動の電子的な検査に必要な技術情報の管理、分解整備の範囲の拡大及び点検整備に必要な技術情報の提供の義務付け自動運行装置等に組み込まれたプログラムの改変等に係る許可制度の創設等につき措置することといたしております。
 さらに、本法案においては、自動保有関係手続に関するワンストップ化の充実、拡充に資する自動検査電子化のための措置、型式指定制度における適切な完成検査の確保に資する是正命令の創設等のための措置等も講じることといたしております。
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○赤池誠章君 いよいよ二〇二〇年、来年、東京オリンピックパラリンピック競技大会開催されるに当たりまして、実証実験のみならず実用化をするという、そういう面では百年に一度の大変革の、それに備える法律ということではないかと思っております。
 その中で、既に法案の概要項目を御説明いただいたわけでありますが、一番最初に挙げられました保安基準対象装置への自動運転装置の追加と自動運転装置が使用される条件ですね、走行環境条件国土交通大臣が付すということがあるわけでありますが、自動運転車の導入初期においては、来年、まず具体的にどこから走行条件を付すということが想定されているんでしょうか、見解をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 走行環境条件は、走行空間の状況でありますとか地域特性などを踏まえ、自動メーカー等の申請者が設定した上で、国がその妥当性を確認することが必要であるというふうに考えております。
 自動運行装置走行環境条件に係る保安基準具体的な内容は、この法律の成立後、公布の日から一年以内に定める施行日に省令等で規定することとなりますが、現時点では、走行環境条件内で自車の搭乗者、歩行者や他者に危険を及ぼさないこと、走行環境条件外で作動しないこと、走行環境条件を外れる場合には運転運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することといった規定を設けることを予定いたしておりまして、この保安基準への適合性については、例えば自動型式指定の審査の場合において、シミュレーションテストコース及び公道での走行試験の適切な組合せにより確認することにより、的確に審査を行うこととしております。このようにして、基準への適合性が確認された場合には、設定される走行環境条件妥当性が確認されたものとしてその走行環境条件を付すこととしております。
 なお、自動運転導入初期に実際に付す走行環境条件具体例としては、例えば降雪、豪雨等の悪天候でない状況で、高速道路本線上における時速六十キロ以下低速走行であるとか、降雪、豪雨等の悪天候でない状況で、廃線跡を利用した専用空間において電磁誘導線に沿って決められたルート低速走行といった条件が想定されております。
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○赤池誠章君 そういう面では、まずは高速道路からということで、低速時、当然、何をおいても安全が第一でありますから、渋滞時からしっかりスタートさせていただいて積み上げていただくということだと思っておりますし、また、地域限定の部分に関しては廃線等ということで、この辺は何をおいても安全第一ということでありますから、法律改正後、速やかな形で省政令整備をしていただき、実用化に向けて具体的に進めていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 そんな中で、点検整備に必要な型式固有技術情報の提供を自動車メーカーに義務付けるというふうにされているわけであります。具体的にどのような情報の提供を義務付けるのか、また、提供された情報が十分でなかった場合の対応及び整備事業者に対する教育や研修に関する国及び自動車メーカー協力支援の内容はどのような形になっているんでしょうか、見解をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 点検整備を行う上で必要となります型式固有技術情報につきましては、現状、自動メーカー系列ディーラー提供しておりますが、これらの情報なければ一般の整備工場においても先進技術点検整備を適切に行うことができないわけでございます。このため、本法案では、今後の運転支援技術自動運転技術の一層の高度化と普及を見据え、ディーラー以外整備工場を含む全国の整備工場において先進技術整備の確実な実施が行われるよう、これらの方への情報提供義務付けることとしたものでございます。
 今回自動メーカー提供義務付ける技術情報の内容は、今後、自動メーカー整備事業者等の団体の代表が参加する検討会で審議、決定し、省令において規定することとなりますが、現時点では、系列ディーラー等に提供されている点検整備に必要な情報と同じであることを原則としつつ、例えばカーナビ仕様書など自動安全確保に関与しないもの、盗難防止装置解除コードなど自動セキュリティーに関する情報提供義務対象外とすることを想定いたしております。
 なお、自動メーカーからの情報提供の状況につきましては、先ほど申し上げました検討会でありますとか、毎年、法令に基づき運輸支局長等が行う整備主任者研修の機会を捉えまして、整備工場の意見を聴取することにより適切に行われているか把握をし、適切に行われていない事例があれば当該自動メーカー等に対して指導をしてまいります。
 一方、先進技術整備のためには、これらの情報正しく理解し、適切な手順、方法に従って整備を行う知識、技能を有する自動整備不可欠であるというふうに認識をいたしております。
 このため、国交省では、先ほど申し上げた検討会等での合意に基づきまして、関係業界とともに自動整備に対するスキャンツール研修制度整備拡充に取り組んでおります。また、その実施に当たりましては、講師の派遣等について、自動メーカー系列ディーラーの協力も得つつ、各都道府県の自動整備振興会が中心となって取り組んでいるところでございます。
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○赤池誠章君 来年、二〇二〇年、自動運転車が実用化されるに当たっては、製造はもちろん、そして販売をし、そしてその販売をした車を当然ルールに基づいて定期点検整備して車検という形、さらに、それを今後、最終的にはリサイクル含めて、もう全体でしっかり考えなければいけないということの中で必要な法整備、その中で、まずは御質問させていただいたとおりの形でメーカーがやっぱりきちっと技術情報を出す、もうこれが今回本当に大事なことなんだろうなというふうに思っている次第でありまして、これを輸入メーカー含めてしっかり法律で義務付けるということは大変意義あることと同時に、これを法律だけに書いて実態がそぐわないということがないように、今局長の方から御説明いただきましたが、しっかりフォロー及び定期的な検証を含めて機能するような形で対応をお願いをしていきたいというふうに思っております。
 また、スキャンツール含めて機器購入支援もしていただいているわけでありますが、昨年度予算がなくなってスキャンツール購入助成が途中で止まるような、そういった形で、途中で購入しようと思っても予算支援なかったなんということがないように、経産省国交省しっかり連携して、振興会含めて予算の措置はしっかりしていただく。
 と同時に、教育研修、これも大事でありまして、なかなか自動車整備関係は、規模が小さかったり、また高齢化の中でなかなか新しい機器に付いていけないというような現実がある中で、しっかりその辺の理解をいただく中で、また事業承継含めて、若い方々うまく事業承継含めてしっかり連携をして、教育研修にも是非力を入れていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 続きまして、分解整備の範囲が今回法改正で見直される、それに伴った認証基準見直しということが行われるわけであります。
 そうなりますと、国土交通省におかれましては、認証基準というものを早期に明確化してほしい、また整備事業者の皆さんは、今仕事を現在進行形で、旧来のガソリン車含めて様々なハイブリッド、いろんな形でやっているわけでありますから、この新たな自動運転車が従来の点検整備や仕事の過度な負担とならないようなしっかりとした配慮を行うべきではないかという意見が出ております。それに関して、国土交通省の見解をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 本法案によりまして、分解整備の範囲を拡大し、新たに特定整備の対象となる整備作業につきましては、有識者のほか関係業界が参加する自動車整備技術の高度化検討会におきまして検討を行っておりますが、現時点では、自動ブレーキ等に用いられるカメラレーダー調整作業を想定いたしております。
 自動車特定整備事業認証に当たりましては、これらの作業を確実に行うための設備及び従業員に関する要件を定めることといたしておりまして、具体的には、作業を行うために必要な作業を有すること、電子的な点検整備を行うために必要なスキャンツールを有すること、必要な知識と技能を備える整備を有することといった内容を想定しておりまして、本法案の成立後、省令にて定めることといたしております。
 先生御指摘のとおり、整備事業者が十分な時間的余裕を持って認証取得の判断を行うためには、具体的要件を可能な限り早期にお示しする必要があるというふうに認識をいたしております。このため、国交省といたしましては、整備事業者を始めとした関係者の意見も伺いながら、自動車特定整備事業認証取得する整備工場にとって過度な負担とならないよう配慮しつつ検討を進め、今年の秋頃を目途に認証基準の内容を明らかにしたいというふうに考えております。
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○赤池誠章君 秋頃をめどにということでありますが、秋といっても三か月あるわけでありますから、これはでき得る限り、当然、手続でありますからしっかり手続を進めなきゃいけない反面、秋頃が冬頃にならないように、夏頃で何とか早め早めに明確化をしてお示しをするということが現場の混乱だけではなくて安全確保という一番大事なところにつながっていくと思いますので、丁寧に慎重に、でも速やかにお願いをしたいと存じます。
 そんな中で、今回法律で特定整備事業を行うわけであります、新たに法律として位置付けるわけでありますが、必要となる設備、機器の要件について、一定の要件を満たすことなどについて、先ほどスキャンツールという話も出てまいりましたが、共用が可能となる措置が当然必要となるというふうに考えているわけでありますが、国土交通省の認識をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 新たに特定整備の対象とすることを想定している自動ブレーキ等のカメラレーダー調整作業エーミングにつきましては、車両と仮想目標物を正対させた状態で車両にスキャンツールを接続し、その表示値を確認しながら縦方向、横方向の角度の微調整をするということにより、先生御案内のとおり行うわけでございますが、その作業の実施のためには、調整に用いるターゲットと、車両とターゲットを正対させることができ、かつ調整に影響を及ぼすような障害のないスペースと、カメラレーダーの角度をデジタルに読み取るためのスキャンツールが必要となってまいります。
 この点に関しましては、国土交通省といたしましては、近年の自動ブレーキ等の普及も踏まえまして、ディーラー以外整備工場においてもエーミングを行えるようにしていくことが重要であるというふうに考えておりまして、他の整備工場と設備の共同使用可能とするといった対策を講ずることを考えております。
 国土交通省といたしましては、これにより、エーミング対応可能整備工場を全国に配備し、自動車ユーザーが広くその整備を受けられるよう、環境整備を進めてまいります。
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○赤池誠章君 やっぱり、しっかり現実に即していただいて、共同使用、共用というものもしっかり国土交通省として指導いただきたい、また導いていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 今、局長の方からお話が出たエーミングなんですけれども、既に局長の方からも若干紹介ありましたが、このエーミングに用いられる設備、機器等について、当然、今も、現在も使われているんですけれども、今後、自動運転化が進んだ場合、様々なメーカー、様々な設備、機器が当然あるわけでありまして、規格の統一、汎用化をしっかり図っていかないと、機械、機器によって、また全く違うとか、またそれから、どんどん機器も最新のものにバージョンアップしたり変わっていくということがありますから、そういった形での整備事業者負担軽減ということも考えた上で、この辺をどう考えるか。規格の統一、汎用化に関しまして、国土交通省の見解をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動ブレーキ等に用いられる周辺監視のためのカメラレーダーにつきましては、取付けの位置や角度が本来の設計からずれた場合、周辺交通障害物の位置を正しく認識できず誤作動につながるおそれもあることから、修理や交換作業を行った際には調整作業が必要となります。
 一方、自動ブレーキ自動運転技術といった先進技術につきましては、実用化当初自動メーカー各社それぞれに開発を進めるいわゆる競争領域にあることから、エーミングに用いられるターゲットの種類でありますとか自動ターゲットとの距離などについては、現状、自動メーカー車種ごとに異なる状況にございます。
 このような状況に対しまして、整備事業者からは、自動メーカー車種ごと調整方法が異なることは負担が大きい、特に必要なターゲットなどがメーカー車種ごとに異なることは費用面の負担が大きいといった声が国土交通省にも寄せられております。
 この点につきましては、今年一月に取りまとめられました交通政策審議会における報告書におきましても、中長期的な取組として、エーミングターゲットなどの整備用機器について共通化を図る等、整備しやすい車の設計、開発がなされるよう環境整備を進めることが望まれるという提言をいただいているところであります。
 国交省といたしましては、今後、整備事業者の意見や審議会報告書の内容を踏まえ、技術の汎用化でありますとか普及の状況を見極めた上で、自動メーカー各社に対し、エーミング方法や機器について可能な限り標準化を進めるよう指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
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○赤池誠章君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 そして、その機器と同時に、やっぱり人材育成、人材の研修、高度化に対応した人材育成というのは本当に大事になってくると思っております。
 既に振興会を通じて研修会が行われているわけでありますが、ますますその重要性が高まってくる中で、その技術の高度化の研修をする研修の先生みたいな、指導員の育成も含めて、現実に合わせた形で対応を重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 それから、自動運転に対する本法案以外にも、先ほど冒頭に御説明いただきましたが、継続検査ワンストップサービス普及促進という視点もあるということでありますが、改めて、本改正でどのような制度を整備するのか御説明いただきたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 継続検査ワンストップサービスにつきましては、ワンストップサービス利用して行った場合であってもなお運輸支局等への来訪が必要となっており、このことが利用促進に当たっての課題となっております。
 このため、本法案におきましては、継続検査におけるワンストップサービス更なる利用促進を図るため、自動車検査icカード化し、icチップ有効期間を記録することにより自動車検査を更新することを可能とすること、整備事業者等が自動車検査icチップへの記録等を行うことができるよう、国から自動車検査への記録等に関する事務を整備事業者等に委託することを可能とすることといった措置を講ずることとし、令和五年、二〇二三年一月からの導入を想定し、準備を進めることといたしております。
 これらの措置が実施されまして、自動車検査icカード化された後は、自動車検査の記録等に関する事務の委託を受けた整備事業者等が継続検査ワンストップサービス利用して行った場合、運輸支局等への来訪が不要となり、整備事業者等において継続検査に係る業務の効率化を図ることが可能となることから、継続検査におけるワンストップサービス利用促進されるものと考えております。
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○赤池誠章君 我々、引っ越しとか、また法人設立とか、様々な形での行政手続がございまして、そういう中では、車検といった部分は、相当個人、法人にとって、業をなさる方もそうですし、国民一人一人、ドライバーの方々もそうであります。今、生産性向上ということで、民の方々に生産性向上生産性向上ということでお願いをするときに、行政の方がそれに逆行するような従来型の手続にならないように、是非ワンストップサービス速やかに進めていただきたいというふうに思っているところでもございます。
 そんな中で、本改正案における制度整備のほかに、継続検査ワンストップサービス普及促進のために、ダイレクト納付実施金融機関の拡大や、納税証明書ですね、軽自動車ワンストップサービスにおける税の納付確認電子化ということが、これがなかなか進んでいないのではないかという声が出ております。これに関しまして、国土交通省の取組をお聞かせください。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 国土交通省では、ワンストップサービス利用促進を図るため、ワンストップサービスにおける手続の利便性確保の観点から、納税額や振り込み先を入力せずワンクリック自動車検査登録手数料及び自動車重量税を納付することができるダイレクト納付を導入しておりますが、ワンストップサービス利用促進に当たっては対応金融機関の拡大が重要でございます。平成三十年度末時点での対応金融機関は、銀行六十五行、信用金庫二百五十三金庫となっております。
 国土交通省では、引き続き、整備事業者等からの要望を踏まえて、金融機関に対して働きかけを行い、対応金融機関の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、自動車継続検査ワンストップサービスにつきましては、今年の五月七日から開始をされておりますが、税の納付確認は、書面である納税証明書確認することによって行われております。先生御指摘の税の納付確認電子化は、継続検査の際に納税証明書を提出することを不要とすることができることから、整備事業者等の負担軽減に資するものと認識をいたしております。
 一方、この実現のためには、全国の市町村におけるシステム構築が必要となること等から、市町村におけるコスト負担等の課題がございますが、国土交通省といたしましては、今後、関係機関と必要な調整を行ってまいりたいというふうに考えております。
 このような取組を積極的に推進をいたしまして、ワンストップサービス更なる利便性向上を図り、継続検査ワンストップサービス利用促進してまいりたいというふうに考えております。
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○赤池誠章君 国土交通省また運輸支局それぞれが実際に金融機関に足を運んで依頼をしているということの努力を既になさっているということでありますから、是非引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 それから、市町村でありますから、軽自動税は。これ、市町村というのは、御承知のとおり、政令市から本当に町、村まで、小さいところございます。総務省におかれましては、地方全体を機構をつくってこれから取り組んでいくということも聞いているわけでありますが、是非、国交省総務省、また全国市町村と一体となって電子化を進めることが、結果的地方行政住民サービスの向上、また地方行政の向上につながるということで取り組んでいただきたいと思います。
 次に、人材不足国内産業全体の抱える課題ということでございます。特に、自動整備分野に関してはそれが大変顕著であると。また、若い方々の中には車離れということも言われているわけでありまして、国土交通省におかれましては、人材育成協議会は、それぞれ運輸支局振興会を通じて各学校、高校にも訪問をしていただいて、自動整備業界、自動整備アピールにも努めていただいているというふうに聞いているところでもございます。
 そういった対策を加速化するとともに、整備工場自体が、先ほどお話ししましたが、規模が小さかったり、それから、経営者方々高齢化をする中で、経営力の向上、基盤の確立、そして、何といっても処遇改善を含めてしっかりやっていかないと、全国九万ネットワークが空白ができてしまったら、安全、安心、また環境の保全、自動運転を始めとした技術の高度化のための確保ができないというふうに考えておりますので、是非取り組んでいただきたいと思っております。
 改めて、国土交通省の見解をお伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動車整備の不足の主たる要因といたしましては、若者の車離れでありますとか職業選択多様化によりまして自動車整備を志す若者が減少していることがあるというふうに認識をいたしております。
 このため、国土交通省では、まず人材育成につきましては、平成二十六年度から、関係団体とともに自動車整備人材確保育成推進協議会を設置をいたしまして、自動車整備確保育成向け取組全国で進めております。特に、今年度からは、小中学校に実車を持ち込んで点検整備の様子を見てもらう出前講座の開催でありますとか、学生、児童にも親しみやすい自動車整備キャラクターデザインと動画やsnsでの活用といった、より若者の志向を酌んだ攻めのPRというものを行うこととしておりますほか、経営向け人材確保セミナーの開催でありますとか、地域の自動車整備工場が連携して行う自動車整備確保のためのテレビcmの企画といった、各地域において整備工場が連携して課題の解決に取り組む好事例の発掘、支援にも取り組んでおります。
 それから、整備工場経営力向上という点につきましては、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた整備事業者は、一定の機器、設備等を購入した場合、税制や金融支援等の措置を受けることができることから、経営強化に役立つ取組事例を含めた自動車整備分野に係る指針を作成をいたしまして、整備事業者認定取得推進するとともに、平成三十年度からは生産性向上等に資する取組事例の調査と優良事例全国展開を行ってきております。
 国交省といたしましては、引き続きこれらの施策を推進し、またそれぞれの施策の効果を見極めながら、全国各地整備を受けられる環境の維持に取り組んでまいりたいというように考えております。
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○赤池誠章君 この辺は、国土交通省のみならず、中小企業庁を含めて是非、また税制も絡みますので、しっかり連携した中で取り組んでいただきたいというふうにも思っておりますし、そういったときにはまさに振興会というのは大変重要な役割を担うんだろうなというふうに思っておりまして、今回、様々な自動運転であったり、またossであったり、そういったときに振興会というのは大変地域地域に根差した形で大事な中間組織といいますか、地域拠点組織だと思っておりますので、そういったところとの連携を踏まえる中で進めていただきたいなというふうに思っているところでございます。
 その中で、継続検査等において、定期点検が未実施車に対策を既に実施をしていただいているわけでありますが、更に大事になってくるのかなというふうに思っております。
 そんな中で、ちょっとした課題としては、地方公共団体が所有する車両、いわゆる公用車ですね、そうした公共機関が使用する車両等について、当然、率先して法令遵守の中で定期点検整備というのは実施すべきだと考えるんですが、中には、予算がないとか、ちょっとした気付かないとかいうようなことから、公用車にもかかわらず定期点検整備が実施されていない事例も散見をされると聞いているわけでありますが、改めて国土交通省の取組をお伺いしたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動車使用過程における安全性の確保のためには、車検のみならず、定期点検を含むユーザー点検整備を通じた保守管理が重要となってまいります。
 他方で、定期点検につきましては、一般の乗用車では十二か月点検実施率が約六割にとどまっていることから、国交省ではその実施率を向上させるための施策を講じております。
 具体的には、毎年、全国において関係業界とともに自動車点検整備推進運動実施をいたしまして、ユーザーに対して点検整備重要性周知啓発、また、法定点検を行わないで車検を受検したいわゆる前検査のユーザーに対し、法定点検の確実な実施周知するとともに、その報告を求めるはがきの送付といった取組を行っております。
 また、御指摘の都道府県や市町村等の地方公共団体を始めとする公共機関が所有する車両につきましては確実に定期点検実施されるべきであるというふうに考えておりまして、平成二十三年度から地方公共団体等の保有する公用車定期点検実施状況を調査しているところでございます。その結果、一部の車両について定期点検実施していない地方公共団体があることが確認されたことから、国土交通省では全ての地方自治体に対して定期点検の確実な実施を徹底するよう文書で求めているところでございます。
 国土交通省では、引き続き、これらの施策を通じ定期点検実施車に対する対策を徹底してまいります。
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○赤池誠章君 そういう面では、まずはいわゆるユーザー車検、平成七年の改正によってユーザー車検、それが認められたと同時に、ユーザー車検代行者が出てきて、その代行者の一部にはいわゆる未認証工場があり、そしてやらなかったり悪質な形があるということでありますので、是非それもしっかりなくすべく頑張っていただきたいと思いますし、公共団体でやっていないというのはあり得ない話でありますから、公表を含めて、総務省と連携をしてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、自動車技術高度化に伴いまして、やはり何といっても自動車整備士国家資格であります。また、車体整備士の役割というのは今後更に重要となってきているわけでありますが、改めて国土交通省の見解をお伺いをしたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動整備は、専門的な知識と技能を持って自動点検整備を行う国家資格に基づく職業でありまして、安全、安心な車社会に欠くことのできない存在であるというふうに認識をいたしております。
 先生御指摘のとおり、自動運転技術を始めとする自動技術高度化とその一層の普及が進む今後において、高い専門性を有する自動整備の役割は更に重要になるものと考えております。
 このため、国土交通省では、これらの先進技術の進化と普及を見据えまして、これらに対応できる高度な知識と技能を有する整備が確保、育成されるよう、関係業界と共に必要な対策を講ずるとともに、自動整備が誇りを持ってその社会的な役割を果たせるよう、今後、自動整備なり手となる若者等に対して、自動整備の役割や重要性について周知啓発も行ってまいりたいというふうに考えております。
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○赤池誠章君 百年に一度の大変革を乗り切る、それは様々な変化に対応する大変なことがあるわけでありますが、どんなに技術が進んでも、ai時代iot、車が仮に空を飛んだとしても、整備、維持管理というのはますます重要になってくる、これはもう御理解いただいているとは思いますが、引き続き、我々、全体として社会の国民の皆様にそれを訴え、また九万のネットワークを空白をつくらないということで取り組んでまいりたいと存じます。
 今日はありがとうございました。
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野田国義君 おはようございます。立憲民主党野田国義でございます。
 まず、ニュースになっておるようでございますけれども、国交省の政務三役の在京当番ですか、このことがどうなっているのかということについてお伺いをしたいと思います。
 この在京当番は、皆さんも御承知かと思いますが、二〇〇三年十一月閣議了解された制度でございまして、各省庁に対して、大臣が東京を離れる場合、緊急事態に備えて東京で待機する副大臣政務官を決めておくよう求めております。
 東京の範囲は省庁により異なるわけでありますけれども、今回、御承知のとおり、文部科学政務官ですか、在京当番だった日のうち、当番が二十日あったんですかね、そのうち、昨年十月からの就任半年間で十三日間も選挙区千葉県に行っていたことが分かったとの報道がなされているわけでございまして、国交省におきましてもいろいろ重要なことがたくさんあるわけでございますので、大臣が離れられたときにどういう対応をされているのかということ、それから当制度の決定方法はどのような形で決定され政務三役で共有をされているのか、そして現大臣になってからの政務三役、よかったら在京当番一覧表でも出していただければと思うところでございますが、いかがでしょうか。
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○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 国土交通省では、平成十五年十一月二十一日に閣議了解をされました緊急事態発生時における閣僚の参集等の対応について、これを踏まえまして、大臣が東京を離れる場合に大臣又は大臣政務官が代理で対応できるようにあらかじめ在京当番を決めております。
 具体的には、まず土日祝日あるいは国会の閉会中の平日、このような日につきましては、大臣が東京におられるか否かにかかわらず大臣又は大臣政務官在京当番を担当しております。さらに、国会開会中の平日は、大臣が東京を離れる場合に限って大臣又は大臣政務官在京当番を担当するということとしております。
 この在京当番につきましては、私どもの国土交通省大臣官房秘書室という部署で割当てを行い、各政務室と調整をした上で情報共有をしているところでございます。
 資料の件につきましては、今それぞれ各省にも資料請求というものが来ているというふうに承っておりますので、それにつきまして対応の検討を行っているところでございます。
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○野田国義君 委員長、どうぞよろしくお願いをいたします。
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○委員長(羽田雄一郎君) はい。
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○野田国義君 それで、これ一時間以内に帰ってこれるところと。印西市見ますと、これはどう見ても一時間では帰ってこれない、一時間二十分ぐらい、グーグルマップですると出てくるということでございますし、また、自民党政務官経験者はこう答えられております。在任中在京当番の日は全て地元日程を断った、実際に一年のうち三回ぐらい呼出しもあった、当番の日に都心にいることは内閣の一員として当然の責務だということでございまして、これ、本当にちょっと緊張感が緩んでいるんじゃないかと、そのことを指摘をさせていただきたいと思いますので、国交省においてはそういうことがないように、当然これは公務を優先すべきであると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、質問の方に入らせていただきます。
 先日、メルセデスベンツ習志野事業所を見学させていただきまして、大変有意義であったと思っております。ありがとうございました。それで、高速道路では、車間距離、あるいは路線変更ですか、そういうことも見せていただきましたし、また、事業所習志野では、いわゆる急ブレーキと申しますか、自動ブレーキ、それから駐車ですか、そういうところも体験、見せていただいたということでございまして、恐らく今後この自動運転が進化をしていくと、うまく、今問題になっている高齢者の事故等含めて、安心、そしてまた我々も運転する中で快適なドライブが更に約束されていくんではなかろうかなと、国民の期待も大きいようでございますので、何とぞよろしくお願いをしたいと思うところでございます。
 そこで、政府は、二〇二〇年を目途に、高速道路における自動運転可能となるレベル3、また、二〇二〇年までに限定地域とされる地域安全自動運転実用可能とするレベル4などの目標を掲げておられます。
 そのような中で、今回の法改正で設計、製造から使用の過程にわたり諸制度の整備が必要であると認識をしておりますが、この自動運転技術車が登場しても、依然としてしばらくの間は既存の車両が混在する自動交通過渡期にこれから差しかかっていくと考えられます。
 今回の法整備を通し、自動交通の将来を見据えて質問させていただきますが、最初に、自動、この自動運転車と非自動運転車の混在する状況では、自動運転メリットとして渋滞緩和等の効果が薄く、その効果が十分に発揮されるのは全て自動自動運転に移行した場合であると考えられますが、政府は今後全て自動自動運転へと移行されることを目指しておられるのかどうか、お伺いをします。
 そして、経済的自動運転車を購入できない方に対する支援や自動運転による効果発揮のための買換えの促進に対する支援等を考えておられるのか、そして自動、非自動の混在期における専用レーン等の検討はされているのか、また自動運転である表示を外部に知らしめる工夫等は考えておられるのかということでお伺いをさせていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
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○政府参考人(三角育生君) お答え申し上げます。
 最初の普及の方策についてのところについて、まずお答えさせていただきます。
 委員御指摘のように、自動運転車の普及によりまして、交通渋滞の緩和はもちろんのこと、交通事故の削減や運転負担軽減、高齢者等の移動支援、地方における公共交通の減少への対応など、様々な社会の課題の解決に大きく資することが期待されております。そのため、自動運転車の普及に向けて、政府全体の戦略でございます官民it構想ロードマップ、これをit総合戦略本部において決定しておりまして、各府省庁ではその内容に従って取組を進めております。
 先ほど御指摘もありましたように、本ロードマップでは、具体的な目標といたしまして、二〇二〇年までに自家用車についての高速道路での自動運転レベル3の実現、そして限定地域でのバス等の自動運転移動サービスレベル4、これの実現、さらに二〇二五年を目途に、自家用車についての高速道路での自動運転レベル4の実現などを定めているところでございます。このような目標の実現を経まして自動運転車の導入、普及を図ることによって、世界一安全で円滑な道路交通社会の構築を目指すこととしております。
 政府といたしましては、本ロードマップに掲げる目標の実現に向けまして、引き続き全国各地での実証実験の実施、それから関係する法制度の整備を進めるなど、更に関係府省庁や自治体民間事業者などとの連携を密にして取り組んでまいります。
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○政府参考人(大内聡君) 二つ目の支援等につきお答え申し上げます。
 自動運行装置を搭載してプログラムにより自動運行させる自動運転車につきましては、まだ市販されておらず、実際に搭載される機能や販売価格具体的市場投入タイミングなどについても、自動車メーカー各社開発状況も踏まえながら検討している段階と承知しています。
 このため、経済産業省といたしましては、まずは自動運転の一日も早い社会実装に向けて公道実証等の支援をしっかりと行うとともに、今後の自動車メーカー各社の市販化の動向について注視してまいりたいと考えております。
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○政府参考人(奥田哲也君) 三点目についてお答え申し上げます。
 国土交通省では、道の駅等を拠点とした自動運転サービス実証実験など、全国で公道実証実験を実施しているところでございます。現時点自動運転技術では、対向車歩行者路上駐車車両などを自動運転により回避することに課題があるため、一部の区間では専用レーンを設定する等の対策を講じ実験を行っているところでございます。こうした実証実験の結果も踏まえながら、引き続き自動走行に対応した道路空間の在り方について検討してまいります。
 また、自動運転車の安全確保に必要な制度の在り方について検討を行うため昨年九月に設置いたしました交通政策審議会の小委員会では、自動運転車が市場に投入され、自動運転車とドライバー運転する自動が混在することによって生じる可能性のある新たな課題についても検討を行い、本年一月に報告書として取りまとめ、公表したところでございます。
 この報告書では、周囲の交通参加者の安全、安心確保ため自動運転であることの車外表示が必要との提言がなされております。このため、国土交通省といたしましては、国連における自動運転車外表示に関する国際基準について議論をリードしていくとともに、基準策定されるまでの間も、国内的には、例えばステッカーを貼る等による表示について関係者と検討してまいります。
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○野田国義君 ありがとうございます。
 この自動運転いろいろな今答えていただきましたように問題も出てくると思いますのでよろしくお願いしたいと思いますし、更にちょっと質問させていただきますが、いわゆる事故をめぐる課題ですね、いわゆる自動運転技術の進展により、これまで予測しなかった自動運転技術に起因する事故が発生する可能性が高いと考えられます。
 そこで、自動運転システムや、そのシステム情報提供後の道路、信号等の交通インフラの欠陥、故障が原因の場合の対策や原因究明が困難な場合、また長期化する場合への対策、加えて再発防止のための情報共有こそが重要であると考えられますが、今後の方策を聞きたいと思います。そして、サイバー攻撃原因とする場合も、これ非常に問題だと思いますので、このことについてお答えいただきたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 お尋ねの点に関しましては、自動運転車の事故が発生した場合、その原因は、自動運転システム走行する道路、速度制限等の走行環境条件ドライバー対応状況サイバー攻撃により発生した不具合など様々な要因が考えられることから、事故原因究明に当たっては総合的事故調査分析速やかに実施することが必要であるというふうに考えております。
 このため、二〇二〇年目途でレベル3以上の自動運転車が実用化されることを念頭に関係者と連携して、自動運転車の総合的事故調査分析速やかに実施する体制の在り方について検討を行い、自動運転車の交通事故原因究明体制を整備し、事故再発防止が図られるよう努めてまいる所存でございます。
 また、事故時の原因究明安全性向上の観点から、自動運行装置保安基準において、自動運行装置作動状態データで記録する装置の搭載を義務付けることといたしておりまして、当該装置で記録されたデータは、事故時の原因究明のほか、システム不具合の発見によるリコール保安基準の改善に活用することといたしております。
 さらに、国内外で発生した自動運転車の故障情報等についても幅広く入手、分析、改善を図ることが必要でありますことから、速やか情報収集及び共有することができるよう関係者と検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
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○野田国義君 時間も来ましたので終わります。ありがとうございました。
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増子輝彦君 国民民主党・新緑風会の増子輝彦でございます。
 今日、道路運送車両法の一部を改正する法律案について、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 実は、昨日の私どもの新聞にこういう投書がありました。
 最近、高齢ドライバーによる交通事故により幼い子供とその母親が犠牲となったことが報道されていました。大変痛ましいことです。私は今六十代半ばです。高齢となった場合の運転をどうするか非常に不安があります。地方に住む高齢者にとって車は生活必需品、買物、病院や役所に行くには車が絶対必要となります。そこで、今、自動運転技術の開発に期待が高まっているようです。その技術高齢ドライバーアシストに役立てることができればと思います。そして、電気自動電気エネルギーで動くものなので、自動運転技術と相性がいいようです。evはまだ走行可能な距離に難があるようですが、高齢ドライバーは余り長距離ドライブをしないのではないでしょうか。自動運転技術プラスevの開発が更に進めば、高齢ドライバーでも比較的安全運転すること可能となるのではと期待をしていますと。
 この方、六十四歳なんです、まだ。しかし、御本人としても大変自分の運転にも不安を持ちながら、最近多発している高齢ドライバー等による交通事故に対して心を痛めている。私たちも全く同感でありまして、改めて、先般お亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 そこで、今多くの国で死亡事故の発生は大分減少しております。今日では事故原因の九割以上が人間の認識、判断、操作のミスとされています。事故を減らすには運転の認識、判断、操作を情報通信技術ictで支援したり置き換えたりすることが必要であると、それが人間の運転自動であり、自動運転であるというふうに言っている学者もいるわけであります。今回のこの法案の一番大事なことは、自動運転をどのように進めていくのか、そのときに必要なものを法改正をしながらしっかりとやっていかなければいけないということであります。
 少し質問が多くなりますので、少し端的に幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 現在レベル1、2というところでありますが、更に3、4というレベルに引き上げていく、そして究極的には5までこのレベルを引き上げていくということを認識しておりますが、今後、自動運転はどのようなレベルまで到達するのか。そして、高速道路のみならず一般道でも自動運転走行可能になり、レベル5まで行くかどうかというのも含めて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
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国務大臣(石井啓一君) 自動運転に係ります二〇二五年までの我が国全体の戦略であります官民its構想ロードマップ二〇一八におきまして、高速道路における自家用車自動運転レベル3を二〇二〇年めどで、限定地域での無人自動運転移動サービスレベル4を二〇二〇年までにそれぞれ実用化する等の政府目標を掲げておりまして、自動車メーカー部品製造者、IT企業等で技術開発が行われているところであります。また、このロードマップにつきましては、二〇二五年めどでの高速道路における自家用車レベル4の自動運転実用化も目標として掲げられております。
 今回の法律改正は、これらの実現に向けまして、特定の条件下において自動運行装置が全ての運転操作を実施するレベル3及びレベル4を対象とするものであります。
 一方、一般道での自動運転は、高速道路等と異なりまして信号を認識する技術や歩行者等の高精度な検知技術が必要となるため、信号機等の道路上の情報を通信で受信をしながら自動運転を行う路車、道路側と自動車側ですね、路車協調型技術開発が進められていると承知をしておりますが、政府目標は現段階では定められておりません。
 さらに、常にシステム運転を行う完全自動運転となるレベル5につきましては、現段階では実用化のめどを立っている状況ではございませんので、政府目標も定められておらず、国際的にも同様の状況にあると認識をしております。
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○増子輝彦君 ありがとうございます。
 まさに今大臣おっしゃったとおり、幾つかの問題もそこにあるわけであります。自動運転国際基準の策定というのが極めて重要に私はなっていくんだろうと思っています。今お話しのとおり、まだそこは十分でないということ。
 しからば、自動運転国際基準の策定の動向は今どういう状況になっているのか、また、その基準いつ頃をめどにでき上がるということになっているのか、お伺いしたいと思います。
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国務大臣(石井啓一君) 自動運転車の国際基準につきましては、自動安全環境基準国際調和を図る唯一の場であります国連の自動基準調和世界フォーラム、WP29において検討されているところであります。我が国は、その傘下の自動運転車の具体的技術要件を検討する全ての専門家会議等において議長又は副議長を務めておりまして、これまでも国連での議論を主導するとともに、欧州、米国、中国などの主要国間の調整役を担ってきているところであります。
 一方、国内におきましても、自動運転に関する国際基準策定に関する全体戦略を構築するため、産学官が一体となって技術な議論を行う体制をつくるなどの対応を行ってまいりました。
 この結果、これまでも、自動運転主要技術である自動ハンドルについて日本から技術要件を提案をし、車線維持車線の変更に関する国際基準策定されるなどの成果を上げてきております。また、同様に、自動運転主要技術であります衝突被害軽減ブレーキにつきまして、日本は具体的要件を検討する専門家会議の議長を務めることにより議論をリードしてきたところでありまして、本年、国際基準案が策定されたところであります。さらに、現在は、高速道路におけるレベル3の自動車線維持機能につきまして、早けれ今年度後半までの国際基準案の策定を目指して検討を進めております。さらには、サイバーセキュリティー対策の検討も本格化をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、産学官が密接に連携をいたしまして、引き続き国際基準の議論を主導してまいりたいと考えております。
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○増子輝彦君 ありがとうございます。日本が主導的にしっかりと国際基準の設定に更に私は進んでいただきたいと思っています。
 その中で、先ほど大臣の方からもお話がありましたとおり、この路車間通信等の国際協調がまだ不十分であるという問題点も実はあるわけであります。
 先般、私たち、委員長の下、メルセデスベンツ日本株式会社の方に視察に行きながら、乗ったことのないベンツに乗って、実は習志野の会社まで行ってまいりましたけれども、その中でもいろいろ説明を受けた中で、やはり大事なポイントに幾つかありました。
 そのうちの一つが、路車間通信規格の是非国際協調を図ってほしいということ。日本は、現在三種類のメディアが使われていると。五・八ギガヘルツによる主に高速道路、高度化光ビーコン、主に一般道路七百六十メガヘルツ、主に一般道路と、この三つの通信の実はメディアが使われていると。一方、欧米は一つのメディア、五・九ギガヘルツということで、ここに大きなずれがあると。
 このことについては大変いろんな意味で不便が生じて、また、今後、日本新しいマーケットとして外国車を受け入れるだけではなくて、日本車が、海外にこの自動運転技術を搭載をした車を更に積極的に広げて販売をしていくときに、どうしてもこういう路車間通信規格というものの国際協調が極めて重要ではないかと思っておりますが、このことについての御見解をお伺いしたいと思います。
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○政府参考人(田原康生君) お答え申し上げます。
 自動運転の実現のためには、地図情報ですとか道路周辺情報の車両への配信などを行うための路車間通信技術が委員御指摘のとおり重要となると考えております。このため、私ども総務省では、国土交通省警察庁などits関係省庁と連携しまして、内閣府sip戦略的イノベーションプログラムにおいてこの路車間通信技術の開発実証を行ったり、また、国際な議論が必要ですので、世界its関係情報交換を行う場であります世界its会議、こちらに行って意見交換を行っているという形でこれまでも取り組んできたところでございます。
 御指摘の周波数の部分でございますけれども、こちらにつきましては、総務省におきまして、電気通信分野における国際連合専門機関であるitu国際電気通信連合というところがございますけれども、こちらでこのitsに使用する周波数国際調和というところの議論がまさに今進められているという状況でございます。
 この路車間の通信規格という点でございますけれども自動運転のための路車間の通信規格につきましては、現在、各国において様々な方式が提案されているというのが実情でまずございます。同じ周波数を使っていても違う方式がいろいろな国で提案されている状況で、これについてもまさにいろいろ議論されているところでございます。
 私どもとしては、引き続き、関係省庁とも連携しまして、こういったところの国際な議論にも参加しながら、国際協調を図るような取組を進めていくことによりまして、この自動運転の普及にしっかりと貢献していきたいと考えております。
 以上でございます。
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○増子輝彦君 今の話では、議論を進めていきたい、いつになるか分からないですよね。今回の法改正は取りあえず二〇二〇年ですよ。そういうことを考えたら、もっと積極的に私は進めていかなければいけないんではないだろうかというふうに思うんです。
 これ、めどとしていつ頃までに取りまとめるというお考えをお持ちになっているのか、お答えください。
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○政府参考人(田原康生君) 現在のところ、国際にもいつまでにこの路車間通信グローバル規格という意味では、標準をつくるという目標というのは現在のところ定められていないというように認識しております。先ほど御答弁でもありましたけれども、路車間通信一般道で使う、それをどういうふうに自動運転に役立てていくか、どういう役割をそこへ求めるのかというところの議論がまだ煮詰まっていないというところでございます。
 いずれにしましても、私ども、そういった自動運転実現されたときに日本だけ違う規格にならないようにということで、そういったところの国際協調はしっかり図っていきたいと考えておりますが、いずれ、そういった国際標準化通信規格標準化の議論につきましては、いろいろ他国の状況、また各自動車ベンダーさんの御意見等も含めながら、私どもとしてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
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○増子輝彦君 大臣、この件について、今このやり取りを聞いてどういうふうにお感じになっているか、そして大臣としては、指導力を発揮して、どのような形で取りまとめていく指導力を発揮するか、お答えいただきたいと思います。
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国務大臣(石井啓一君) 突然の御質問なのでちょっと用意がないのですが、総務省さんがお答えになったように、この通信、総務省が所管をしておりますので、しっかりと連携をして取り組んでいきたいと考えております。
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○増子輝彦君 しっかりお願いします。
 次に、今回の法改正に伴う様々な新しい事務がこれで出てくるわけです。極めて重要なことがたくさんあると思います。そういう中で、今回、独立法人自動車技術総合機構体制整備というのが極めて重要な役割を担ってくるんだろうというふうに思っています。
 この自動車技術総合機構体制整備の必要性等についてお伺いしたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 独立行政法人自動技術総合機構は、自動検査における保安基準適合性の審査型式指定における保安基準適合性の審査リコールに係る技術検証安全環境技術に関する研究開発等を行う独立行政法人でありまして、現在、約千名の職員を有しております。その予算は、国費から支出される運営費交付金、施設整備費補助金のほか、型式指定審査検査受検者から徴収する手数料により確保されております。
 一方、本法案により、機構では、自動運行装置について、走行環境条件妥当性の確認を含む型式指定及び検査における保安基準適合性の審査、特定改造等の許可における保安基準適合性の審査と特定改造等を行う事業者の能力の審査検査における技術情報一元管理するためのサーバー設置指定整備工場が利用するための検査用アプリの開発、問合せ対応のためのヘルプデスク設置といった事務が新たに発生することとなります。
 機構では、これまで、型式指定審査については自動メーカー自動検査については自動ユーザーからの手数料により審査等の要員体制整備してきたところですが、今般の改正により追加される審査事務等につきましても、体制整備に必要な審査手数料を設定することといたしております。
 このように、新たに設定する手数料によりまして今回新たに追加される業務に係る要員体制整備することとなりますが、保安基準適合性の審査高度化審査件数の見通し等を踏まえ、自動技術総合機構における的確な人員配置を検討してまいりたいというふうに考えております。
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○増子輝彦君 極めて重要な新しい事務が発生することは今の御答弁のとおりであります。
 この自動技術総合機構というのは、本当に重要にますますなってくるんですね。ですから、このことを併せながら、特に運行装置安全というものが極めて重要な私は今後の課題だと思っています。この機構自動運行装置安全審査の内訳等について御説明をいただきたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 まず、自動運行装置保安基準具体的な内容として、国土交通大臣が付した走行環境条件内で、自車の搭乗者、歩行者や他者に危険を及ぼすおそれないこと走行環境条件外で作動しないこと走行環境条件を外れる場合には運転運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することといった規定を設けることを予定いたしております。その適合性につきましては、自動技術総合機構交通安全研究所において、シミュレーションテストコース及び公道での走行試験の適切な組合せにより確認することにより審査を行う予定といたしております。
 具体的には、シミュレーション試験につきましては、走行環境条件内で想定される様々な走行パターンを収集した上で、その全てにおいて安全に問題がないことシミュレーションで証明するとともに、審査機関にあってはサンプリング試験を行い、シミュレーションが適切に作動していることを確認するといったことを想定いたしております。
 また、テストコースでの走行試験につきましては、走行環境条件内の代表的条件安全自動運行装置が作動すること走行環境条件を外れる場合を模擬し、運転運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することを確認すること、また、公道での走行試験については、実環境下において自動運行装置安全に作動することを確認することなどを想定いたしております。
 こうした新たな審査方法につきましては、国際にも自動安全環境性能に関する国際基準を審議する唯一の場であります国連の自動基準調和フォーラムにおいて国際基準の議論が行われておりまして、国土交通省といたしましては、この場において積極的に提案を行うことにより、早期の国際基準策定を働きかけているところでございます。
 国土交通省といたしましては、これらの取組を通じ、国際基準調和に留意しつつ、自動運行装置を備えた自動保安基準適合性について的確な審査を行ってまいります。
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○増子輝彦君 これまでメーカーでもいろいろな問題が発生したことは御案内のとおりでありますから、こういう問題を含めて、今後、新たなしっかりとした安全審査というのは極めて重要ですから、ここは徹底して新しい業務を含めてお願いをしたいと思っております。
 次に、この自動運転の中で私は最も大事な肝、いわゆる命だと思っているのは地図情報だと思っています。地図情報を制するものがこの自動運転を制するとも言われているわけでありますけれども、この地図情報自動運転にどのように利用され、また高精度地図情報の整備の状況が現在どのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動運転を行うに当たりましては、自車が道路上のどの位置を走行しているかを精度高く把握することが重要であるというふうに認識をいたしております。
 現在開発が行われております自動運転車は、車両に備えられたカメラやレーザー等のセンサーから得られる情報gps情報と高精度地図を照合することにより自車の位置を特定して自動運転を行うものであり、二〇二〇年目途での高速道路におけるレベル3の自家用車の実現には高精度地図情報が必要になってまいります。
 そのため、地図会社自動車メーカー等が出資してダイナミックマップ基盤株式会社というものを設立をいたしまして、同社が高精度地図の整備、維持、提供を行うこととしておりまして、二〇一八年度には全国高速道路等、約二万九千キロについて整備を完了したところでございます。二〇一九年度からは、同社は、全国高速道路等の高精度地図の維持、提供を行うとともに、一般道の地図についても整備に向けた検討を開始することといたしております。
 さらに、安全、安心な自動運転の実現に向けて、信号情報交通規制情報等の交通環境データを高精度地図に関連付けて配信するとともに、周辺車両の位置や速度などの情報を活用することで、より最新で網羅的な情報提供システムを構築すべく、内閣府戦略的イノベーション創造プログラムsipにおける研究開発事業として、関係省庁連携の下、開発、実証等の取組が進められているところでございます。
 国土交通省といたしましては、こうした取組も踏まえながら、自動運転の実現に向けた取組を推進してまいりたいというふうに考えております。
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○増子輝彦君 今の説明のとおり、まさにこの地図情報というのが非常に重要なんですね。
 そういう意味では、日本もダイナミックマップ基盤株式会社というものをつくって今積極的に取り組んでいるというお話もありましたが、グーグル始め海外地図情報、先行しているところから見れば、日本、何者ぞやというようなまだ感じがあるような気がしますが、是非国挙げてこの問題についてはしっかりと対応していっていただいて、まさに高精度の三次元地図、この地図情報をしっかりと確保することを含めて、これがまた世界に通用するための、世界的な、グローバル的なものにもつながっていくスタートになると思いますから、しっかりとこのこともお願いをしたいと思います。
 あわせて、地図情報にも含まれる道路標識の、自動運転システム正しく認識するためには道路標識路面標識画一化を進める必要があると。これは、実は、先ほど申し上げた視察に行ったときの、同じよう問題提起としてのこの考え方、これ局長も聞いているかと思いますが、極めて、道路標識路面標識画一化というものをしていかない地図情報の中で様々な種類の標識があって読み取れないということも大きな問題になって、本当に、安全という点や地図情報の正確さという点からすれば、なかなか重要なこれは問題であり、またしっかりとしていかなければいけないというふうに思っています。
 この必要性と、どのように今後取り組んでいくのかを御見解をお伺いしたいと思います。
Keyphrases
○政府参考人(池田豊人君) 現在の道路標識路面標示につきましては、法令に基づきまして統一的な様式で整備をされているところでございます。
 一方、自動運転が実現した際に必要となる道路標識含めた道路施設情報については、地図情報としての提供方法の技術ですとか車載カメラによる道路上での認識する技術、こういったものが日々開発が進められておりますので、今後もそういった技術は進展をしていくものと考えられます。
 したがいまして、自動運転の際のそういう道路標識道路標示情報提供方法につきましては、このような技術の動向を踏まえながら検討していくことになるわけですけれども、その際も、御指摘のとおり、基準等による方法の統一について留意して取り組んでまいりたいと考えております。
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○政府参考人(高田陽介君) お答え申し上げます。
 警察におきましては、一方通行一時停止などの交通規制に関する標識の掲示などを行っておりますが、我が国における規制標識規制標示等につきましては、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令によりまして、先ほど御答弁もありましたが、標示、寸法、色彩、文字の大きさ等の様式や設置場所、高さ等が定められ、統一化されております。また、規制標識等については、通達において設置位置設置間隔、角度、取付け方法なども明らかにしており、これらによって画一化が図られているところでございます。
 他方、自動運転システムにおきましては、交通規制に関する情報地図データにひも付けることによって交通ルールに従った走行を実現することもあると認識しております。
 警察庁におきましては、交通規制情報オープンデータとして公開し、日本道路交通情報センターホームページから無料でダウンロードできるようにしているところでございます。
 今後とも、自動運転システムの開発の動向や事業者の要望を踏まえまして、適切な道路標識道路標示設置交通規制情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
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○増子輝彦君 自動運転には極めて重要な課題だと思っていますので、ここは警察庁国交省連携今まで以上に強めながら、是非自動運転に資する画一化をお願いをしたいと思っております。
 次に、自動運行装置を用いた事故が起きる可能性が当然これは考えられるわけであります。自動運転、万能ではありません。特に、高齢者の皆さん、先ほど投書欄を皆さんにも御説明したとおり、高齢者も期待していると同時に、高齢者がゆえに事故もあるいは起きる可能性も高いのかもしれませんし、しかし、自動運転そのものについてのまだまだ未知の分野もありますので、事故という問題は、これはどうしても私ども避けて通れない、むしろ、できるだけ事故を少なくするような、我々対策も講じていかなければいけないと思っております。
 しかし、万が一運転の事故が起きた場合の民事責任はどのような状況になっていくのか、お伺いしたいと思います。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動による人身事故における民事上の責任につきましては、現在の自動損害賠償保障法では、民法の特則として、所有者等の運行供用者に事実上の無過失責任を負わせ、交通事故による被害者の迅速な救済を図っております。
 自動運行装置を用いた運転事故につきましては、民法、保険法の専門家等の有識者によって構成される自動運転における損害賠償責任に関する研究会で検討を進め、昨年三月に報告書を取りまとめたところでございます。
 その結論といたしましては、被害者救済最優先考え方の下、レベル3、4の自動運転の段階では、現行の自賠法による運行供用者責任自動運行装置を用いた運転事故にも適用することが妥当とされたところでございます。
 その上で、事故自動運行装置の欠陥によって引き起こされたことが判明した場合については、自賠責保険保険金を支払った保険会社により自動メーカーに対して製造物責任に基づき求償がなされることになりますが、その実効性を確保するため、自動運行装置作動状況を記録する装置の活用手法等について関係者による実務的な検討を進めているという状況でございます。
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○増子輝彦君 しっかり対応をお願いしたいと思います。
 次に、先ほども質問に出ましたけれども、整備工場というものが新たな技術が求められてくるわけであります。今回のこの法改正によって、スキルアップを含めて整備工場新技術に的確に対応できるよう取組をしなければならないと思っていますが、この実施状況はどういう状況になっているのか、お伺いしたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 近年における自動ブレーキ等の先進技術の普及によりまして、これらに対応する整備技術高度化が求められております。
 このため、国土交通省では、これらの先進技術点検整備のため、有識者のほか関係業界団体が参加する自動車整備技術高度化検討会におきまして、一般の整備工場であっても一定の費用を支払うことにより自動車メーカーが作成する整備要領書を自由に閲覧できるようにする環境の整備、複数の自動車メーカーの車種に対応した汎用スキャンツールの開発と機能拡大の推進、自動車整備に対するスキャンツール研修制度整備拡充といった取組を進めているところでございます。
 この中でも、特に自動車整備先進技術点検整備に対応するための研修につきましては、検討会において合意されたプログラムに基づき、各都道府県の自動車整備振興会が受講生のレベルに応じて多段階の研修を実施をいたしまして、全国の整備スキルアップを図っておりますとともに、認証工場において整備統括管理を行う整備主任者に対して運輸支局長等が行う研修において、毎年、技術整備手法について実習も交えて説明を行っております。
 国土交通省では、引き続き、これらの取組を総合的に講ずることにより、全国の整備工場技術点検整備に対応できるよう必要な環境の整備を進めてまいります。
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○増子輝彦君 整備工場を取り巻く状況も決して容易ではありません。この自動運転が更に進めば新たなスキルアップ新技術も必要になってまいりますから、国土交通省としてもしっかりとこの支援をお願いを私からもしておきたいと思っています。
 次に、今回の法改正による不適切完成検査事案の実は抑止というのが極めて重要なんだろうなというふうに思っています。先ほども申し上げましたが、過去にメーカーの様々な問題事案が出てまいりました。
 大臣、今回の法改正による不適切完成検査事案抑制効果について、どのようにお考えになってどのように対応していくのか、お答えをいただきたいと思います。
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国務大臣(石井啓一君) 今回の法改正では、不適切完成検査事案への対応といたしまして三点措置することとしております。
 まず一点目に、不適切取扱い是正措置命令を創設をいたしますが、これは法律の規定に基づく強制力のある機動的な措置であることから、これによりまして、自動車メーカーにおける完成検査不適切取扱いを確実かつ速やか是正させることができるようになるものと考えております。
 また、二点目に、是正措置が講じられるまでの間、型式指定の効力を停止できることといたします。型式指定自動車大量生産の前提となっておりまして、仮に型式指定の効力が停止された場合、自動車メーカーは、不適切取扱い是正までの間、実質的にその車種の生産を止めることを余儀なくされることとなります。
 さらに、三点目に、完成検査に関する報告徴収立入検査についての罰則を強化いたします。これによりまして立入検査等の実効性大きく向上することとなることから、今般の法改正完成検査に関する不正行為の防止に大きな効果を発揮するものと考えております。
 国土交通省といたしましては、これらの措置を確実に施行することに加えまして、各社における完成検査運用状況を無通告の立入検査で確認すること等によりまして、適切な完成検査の確保に努めてまいりたいと考えております。
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○増子輝彦君 時間が参りましたので、終わります。質問二つ残しましたけれども、これ先ほども質問としてほかの委員から出ましたが、自動車検査証電子化によるメリット等も含めて、これはもう結構であります。
 と同時に、整備事業者の来訪が少なくなると。不要とまでは言いませんが、大分不要になってまいりますから、運輸支局等の今後の職員等のことも含めながら、新たな私は見直しも出てくるんではないかというふうに思っておりますので、これらを含めて、この自動運転がどのような形で社会に適合しながら安全な走行ができるか、そしてまた第四次産業から更にその先を進むときに極めて重要な私は産業創造にもこれは資していくものだと思っていますから、国交省を挙げて全力でこれに取り組んでいただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
    ─────────────
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○委員長(羽田雄一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、赤池誠章君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。
    ─────────────
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矢倉克夫君 公明党矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 私も一昨日、視察参加をさせていただきました。改めてメルセデスベンツ日本株式会社の御協力に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。習志野の方まで高速道路を一緒に通行をしたんですが、一切、一切まではないですけど、ブレーキアクセルをほとんど踏まずに動いていたこの実態を見て、本当に感動をいたしました。
 まだ一般道路に当然これ波及するにはまだまだ課題も多いわけでありますが、仮にそれができるというのは、混合道路の状態の中で、隣の車がどういう状態になっているのか、何をしようとしているのかを車が判断できる、場合によっては前に通っているおばあちゃんが先に行けというふうに手を振っている、この意味すら分かるぐらいに車が変わるという状態になると思います。まさに車という概念が変わって、アイフォンが電話という概念を変えたぐらいの社会変革が起きるものであるかなというふうに思っています。
 改めて国土交通省にお願いしたいのは、これ、事故がない社会、事故を限りなく減らす社会という意味合いでは非常に重要な取組であるし、国土交通省にとっては所管としてもいいぐらいの流れでもあります。省庁の枠を超えて、内閣官房であったり経産省がやる部分はあるかもしれませんが、より国交省も更に入っていただいて、規制の調和であったり業界団体の連携であったり是非お願いをしたいなというふうに、主導権を握っていただきたいなというふうに思います。まずはこのことをお願いを申し上げたいというふうに思います。
 その上で、今日は特に自動運転車両整備に関わる部分の法案審査になります。まずは法案の基本的事項について幾つかお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 今回の法案の肝の一つが、先進技術点検整備に必要な技術情報を認証整備事業者等へ提供することのこの義務付けであります。少し懸念をしているのは、外国の会社にもしっかりとこれが義務として掛かるのかというところを、懸念もあるわけでありますが、その点に絡みまして、まず端的に、この自動車製作者、義務が掛かる自動車製作者の範囲についてお答えをいただければと思います。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 お尋ねの自動車製作者等の定義でございますけれども、自動車の製作を業とする者、いわゆる自動車メーカーのほか、外国において本邦に輸出される自動車を製作することを業とする者から当該自動車を購入する契約を締結している者であって、当該自動車を輸入することを業とする者、いわゆるインポーターを指しております。
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○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 外国法人外国会社は日本の法が全部適用されるわけではありませんが、その会社にもしっかりと実効性を掛かるように輸入インポーターも入れているということになるというふうに思いますし、輸入インポーターの行動を規律して、最終的には外国会社にもしっかりとこの規律を及ぼしていく、今後の工夫もまたそれは必要であるかなというふうに思います。
 その上で、改めて、今回のこの情報提供でありますが、法律については、分解整備と言われていたものが今後、特定整備というふうになります。順序を若干変えることになるかもしれませんが。この特定整備というのは、従来分解をしていたことが念頭に置いていた整備とはまた概念がずれるという意味で特定整備となっていると思いますが、典型例いわゆるエーミングであるというふうに思っております。
 今日は、エーミングは複雑なので、ちょっと資料をお配りもさせていただいておりますが、要するに、自動ブレーキ等のセンシング技術を用いる装置では前方、周辺を監視するカメラとかレーダーのずれが誤作動を生ずると。こういうずれがないようにしっかり調整をする、エーミングであります。
 これについて、当然ではありますが、今回の法令また省令に委ねられているところがあるかというふうに思いますが、提供すべき情報の範囲内にこのエーミングに必要な情報が入り得るというふうに、当然入るべきであるというふうに思いますが、確認の意味を込めて答弁いただきたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 先生から資料を配付していただきましたけれども、自動ブレーキ等に用いられるカメラレーダーの調整、いわゆるエーミングは、車両と仮想目標物、ターゲットを正対させた状態で、車両にスキャンツールを接続し、その表示値を確認しながら縦方向、横方向の角度を微調整することに行うわけでございます。
 この際、エーミングを行う作業上の条件、ターゲットの種類と設置場所スキャンツールに表示される値や指示、カメラレーダーの微調整の方法等については自動車型式ごとに異なっておりまして、自動車製作者等が定める手順書やターゲットの配置図がなければ作業を適切に行うことができない状況にございます。このため、エーミングに関するこれらの技術情報は、自動車製作者等に対し整備工場等への提供を義務付ける自動車の点検及び整備をするに当たって必要となる当該自動車型式に固有の技術上の情報に該当するものと考えております。
 国土交通省におきましては、本法案の成立後、エーミングに必要な技術情報につきましても本規定に基づき適切に認証工場等へ提供されるよう必要な省令の規定の整備を行うとともに、自動車製作者等に対してその確実な履行を徹底してまいります。
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○矢倉克夫君 今後制定される省令にエーミングに関する情報は必ず入り得るということを確認をさせていただきました。
 先ほど赤池先生からもお話があったんですが、このエーミング、車種であったり、そのそれぞれごとによって必要なやり方等もまた違う、そこをどう規格も含めて統一していくか、汎用化していくのか。そこがばらばらですと、やはりそれぞれ整備工場の関係の方も費用負担大きくなるので、先ほど御答弁いただいたとおり、中長期的な課題になるかもしれませんが、この汎用化については引き続きしっかりとやっていただきたいというふうに、御要望をまず申し上げたいというふうに思います。
 その上で、また情報の公開の方に戻りたいと思うんですが、義務は課されているわけでありますが、最終的にはこの義務をしっかりと履行していただく確保をしなければやはりいけないわけであります。
 国土交通省としては、この自動車製作者等による情報提供義務、このエーミングに関する義務も含めて、これの履行をどのように確保されるのか、特に輸入車に対してはどのように確保されるのかを改めて御答弁をいただきたいと思います。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動車製作者等から自動車特定整備事業者への情報提供の方法につきましては、今後、自動車整備技術の高度化検討会において審議、決定し、省令に規定する予定でありますが、制度開始当初は、現在の運用を参考に、国産車については日本自動車整備振興会連合会が管理、運営するインターネットを活用した整備情報提供システムによりまして、また輸入車については各自動車メーカーホームページにアクセスすることにより閲覧又は入手できる形を想定いたしております。
 なお、自動車製作者等がこれらの情報提供を確実に行わない場合、自動車特定整備事業者は適切な整備を行うことができず、ひいては当該整備事業者整備作業を委託したユーザーが不便を被ることとなります。このため、法案成立後、これらの情報提供が確実に行われることを継続的に注視する体制の整備が必要であるというふうに考えております。
 具体的には、自動車整備技術の高度化検討会において関係業界団体の代表から情報提供の状況や課題について継続的に聴取をするとともに、毎年、運輸支局長等が行う整備主任者研修の機会を捉えて整備工場の生の声を聴取することにより、情報提供が適切に行われているか把握していくことを想定をいたしております。
 なお、輸入車につきましては、整備情報提供が欧米の法規でも規定されているところでありまして、海外自動車メーカーもこれに対応いたしております。したがいまして、今般、我が国においても本法案により同様の規定を整備することにより、インポーターに対し一層整備情報の適切な提供を徹底できるものと考えております。
 国土交通省といたしましては、これらの対策を講じることにより、自動車メーカー及びインポーターによる整備情報提供が確実かつ継続的に行われるよう指導監督してまいります。
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○矢倉克夫君 国産車に比べると、現状は外国車についてはそれぞれホームページに上げるという形になっている。国産車の場合は、業界団体も含めて、faines含めた整備関係情報提供システムがあるわけでありますが、そことはまた一段違うところでの取組にやはりならざるを得ないところはあるかというふうに思います。
 国土交通省としてもしっかりと、今御答弁いただいたとおりでありますが、外国の関係の企業もしっかりと情報提供する体制は引き続き監視をお願いしたいと思います。
 インポーターも、当然、ちゃんとそこら辺をメーカーがやってくれないと自分たちも売れないわけですから、そういう部分での利害もしっかり把握した上で、インポーターを通じた取組というものも是非お願いをしたい。
 最終的に、今は現状の取組でという話でありましたが、政省令でまたお決めになるときは、この外国の企業に対してもしっかりとこの情報提供義務というものを履行し得ることを目途として、その視野でしっかりと政省令決めていただきたいと、この点は御要望させていただきたいというふうに思います。
 その上で、引き続きでありますが、もう一点、また情報提供に関してです。
 自動車製作者等による情報提供は、提供ではありますが、まず一点は、これは有償で行われるのか。有償で仮に行われるとしたら、今までは自動車製作者等から関連の情報は系列のディーラーに行っていたわけであります。これを広げていくという今回の情報提供義務の範囲でありますが、この有償の度合いについて系列のディーラーとそれ以外の整備工場の間で提供価格に差異を設けるべきではないと考えますが、この点についての御所見をお願いします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 点検整備必要型式固有技術上の情報自動車製作者等が作成、保有するものでございまして、その所有権一義的には自動車製作者等に帰属するものでございます。
 本法案では、全国において先進技術整備の受皿を確保するといった観点から、自動車製作者等に対し自動車特定整備事業者等への情報提供を義務付けることといたしておりますが、自動車製作者等が本来有する情報所有権に配慮し、その範囲は自動車安全確保と環境の保全のため必要なものに限るとともに、当該情報提供合理的な価格の範囲で有償により行われることを想定いたしております。
 なお、自動車メーカーから系列ディーラーに対する整備情報提供一般的に有償で行われており、その商慣行を踏まえても、情報提供合理的な価格の範囲で行われることを想定しているところでございます。
 また、情報提供の価格が合理的な範囲であることについては、本法案の成立後、情報提供の在り方の詳細を定める省令において規定することを考えておりますが、この合理的な価格の範囲の考え方には系列ディーラーとその他の整備工場の間で差別的価格差を設けないことも含まれるものと考えております。
 いずれにいたしましても、国土交通省では、自動車製作者等による整備情報提供系列ディーラーとその他の整備工場の間で差別的に行われることのないよう注視してまいります。
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○矢倉克夫君 省令で定めた場合も、差別的にはならないようにということの規定があるというふうな確認は取れました。
 系列ディーラーは、また一般の工場とは違い、リコール対応だとかそういう部分の差異はあるかというふうに思います。そういう合理的な差異に基づくものであればよろしいかもしれませんが、そうでない非合理な部分、そういう部分に関しては、しっかりと現場の感覚を確認していただいた上でちゃんと政省令にかけていただきたいと、この点も改めて御要望させていただきたいというふうに思います。
 続きまして、今度は情報提供以外の、obdの関係なんですが、御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 ベンツの方でも実際のobd、車載式故障診断装置ですね、スキャンツールを見て確認させていただきました。車の中に大体四十個ぐらいコンピューターがある、そういう複雑な系統の車を整備をするに当たって、どういう故障があるのか、やはり外からだけでなかなか判断できないようなときに、こういう故障コードが出たら検査不十分だという、必要な情報スキャンツールを見ることでしっかり読み取れているというような情報の確認をさせていただきました。
 その上で、私もちょっとその場でお伺いしたんですけど、大体このスキャンツール読み込みは何分ぐらい掛かるのですかと聞きましたら、一分か二分ぐらいだと。ただ、私たちが見させていただいたのは専用のスキャンツールでしたから、汎用になるとどれぐらいか分かりませんというようなお答えでありました。
 その関係で、整備の現場からは、特に指定工場以外認証工場の方々、車検場に持ち込んでそれぞれ検査をされる方とかでありますけど、実際、本当に混んでいるときとかは一つ一つの時間が非常に掛かると。それは、とりわけ、こういう認証工場とかは、いろいろ委託された車両について必要な点検を行った上で、機構であったり、また軽自動車検査協会に持ち込んで検査を受検することが一般的であるわけなんですけど、受検前にあらかじめサーバーに接続して故障コードが記録されていないことを確認したりとかした場合であっても、もう一回その場でobd検査をやらなきゃいけない、こういうところもいろいろとどうなのか、そういうような具体的な声もあったりしたわけでありますが、こういう時間とかに掛かる負担の軽減とか、そういうものに対しては国交省として今後どのように考えられるのか、御答弁いただければと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動車技術総合機構では、検査機器を順に配置した検査コースを用いて効率的自動車検査が行われておりまして、検査に要する時間は一台当たり、乗用車では約九分半、トラックでは約十二分となっております。
 一方、機構が電子的な検査に要する時間を調査するために平成二十九年度に市販の整備用スキャンツールを用いて行った模擬検査では、車両にスキャンツールコネクターを挿入するため約一分程度の時間を要しまして、加えまして、スキャンツールにより車両に記録された故障コードを読み出すためおおむね一から五分程度を要するといった結果が得られたことから、車検場の混雑を防止するためには、全体の検査時間を増加させない対策について検討する必要があるものと認識をいたしております。
 この点に関しましては、電子的な検査の手法を検討した検討会では、機構は、他の項目の検査を行っている間に故障コード読み出し合否判定を完了できるよう、無線方式スキャンツールの開発とそれを用いた検査手順の検討を行うこと、また、認証工場があらかじめ検査スキャンツールを用いて保安基準不適合となる故障コード記録されていないことを確認した場合、その結果は機構サーバーに自動記録されますことから、車検場では当該記録を参照して検査を行い、原則、再度の故障コード読み出しは行わないこととすることが提言をされております。
 機構におきましては、今後、これらの提言を踏まえまして、必要な設備、機器の開発や検査手順を定める事務規定の策定を進めることといたしております。
 国土交通省といたしましても、認証工場を始めとする受検者に過度な負担が生じないよう、機構によるこれらの準備を指導、支援してまいります。
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○矢倉克夫君 今の御答弁の中、一旦、既に読み込んだものについては再度しないというような報告書の御紹介ありました。それを受けて、機構がしっかりと基準を設けられて、国交省としてもその方向でという形で明確な御答弁をいただくことができました。是非、現場の負担感も含めて、また、無線の方式のスキャンツールということもあります、それの開発、また、それの一般の広がりとかも含めて、支援の関係も含め、また引き続き御検討をいただければというふうに思います。
 大臣にお伺いをしたいと思います。
 今の情報公開の部分に当たっても、一回読み込んだものは再度その場で読み込まなくてもいいというのは、やはり認証を受けた工場であったり、そういうものに対する行動であったり、に対しての信頼感というものも根底にあるのかなというふうに思っております。
 それで、整備工場はディーラー系とかそれ以外というのもありますが、特にディーラー系以外の整備工場に関しましても、やはり地域に根差した存在でもあり、とりわけ地方にとっては非常に重要な存在になります。今後、自動運転の技術が広がれば広がるほど、やはりちゃんとした技術、専門性を持った人が整備をしなければいけない事態にますますなっていくというふうに思います。
 こういう自動運転の時代を見据えて、特にディーラー系とまたそれ以外の整備工場に対して、大臣から役割に対する期待というものを答弁いただければと思います。
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国務大臣(石井啓一君) 国の認証を受けた自動整備工場は、必要な設備と従業員を有し、ユーザーからの委託に応じて点検、整備を行うことにより、車社会の安全、安心を支える不可欠な役割を果たしているものと認識をしております。
 また、近年、自動ブレーキ等の先進技術が普及をし、今後、自動運転の実現も期待をされる中、これらの先進技術の点検、整備対応できる自動整備工場社会的重要性はこれまで以上に大きくなるものと考えております。
 国土交通省といたしましては、自動整備工場技術の進展にしっかりと対応し、先進技術の点検、整備を行う能力を備えることにより、引き続き車社会の安全、安心を支えていくことを期待するとともに、先進技術対応可能整備工場ネットワークが全国に構築されるよう、必要な環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
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○矢倉克夫君 地方とかはとりわけディーラー以外整備工場多いわけであります。そういうところも視野に入れて、今後の技術に対応できることを期待しと、今大臣からありました。国交省としても、その期待が、彼らが応え得るような支援の体制というものも引き続き是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 では次に、最後、またもう一点ちょっと質問をさせていただきたいというふうに思います。
 少し視点を変えてちょっと質問したいというふうに思うんですが、今回の法案、特に情報提供に関しては、系列のディーラーとそれ以外整備工場区別なくしっかりと情報提供をする、このような枠組みをつくったということも一つ意味もあるのかなというふうに思っております。
 この系列のディーラー以外整備工場との関係というところで、実は私、よく現場でお聞きするのは、部品調達における話になります。これは主に公正取引委員会さんの方に聞く話になるんですが、例えば、ある部品メーカーから部品調達するわけでありますけど、部品メーカーから系列のディーラーのところに部品を卸すときは定価の四割引き、しかし、それ以外のところに卸すときは定価でいく。私が聞いている限りは、こういう事例が非常に多いわけであります。片方は割合的に言えば六〇の価格、片方は一〇〇の価格。これは、実際すると、六〇の価格からしたら一〇〇の価格は大体一・七倍ぐらいの価格で売られているという状態になります。こういう状態ですね。
 あと、例えば販売も拒絶するというような事案があるというふうにも聞いております。今日は、まず資料の方には、こういう部品の販売の拒絶とかに関しては例えばEUの規則があるわけでありますが、このEUの規則、例えば、翻訳をちょっと入れ込ませていただいたんですが、一定の自動車関係の行動は競争法の除外になっているんですが、この行為は除外になりませんよとEUが規則を入れているのは、まさにこの部品の供給の制限とかなんですよね。ハードコアな制限と言っているので、EUに関しては、こういうことがあればそれだけでアウトだという行為として列挙をしている。それ以外も当然アウトになり得るものがあるというふうに規定もされているわけであります。
 こういう制限が仮に日本であった場合、一般論として、部品の供給を系列のディーラーだけにしてそれ以外はしない、若しくは非常に高額な価格でほかのところだけ売り付ける、こういうようなことがあったら一般論としては競争法上問題になり得ると思いますが、その点について御見解をいただければと思います。
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○政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。
 まず最初に、系列ディーラーのみに販売するようなことについての御質問でございましたけれども、これにつきまして、事業者がどの事業者取引するか、基本的には取引選択の自由の問題と考えております。事業者価格、品質、サービス等の要因を考慮して、独自の判断によってある事業者取引しないこととしても、基本的には独占禁止法上問題となるものではないと考えております。
 しかしながら、例えば、自動車メーカーあるいは正規輸入車代理店が自ら自動車の修理も行っている場合におきまして、競争者である整備業者に補修部品を供給しないことによって、その整備業者が代替的な取引先を容易に確保することができなくなり、市場から排除される場合等のような場合におきましては独占禁止法上問題となり得るというように考えているところでございます。
 また、次に、価格の違うような場合に関するお尋ねがございましたけれども、事業者が他の事業者とどのような取引条件取引するかは基本的に自由でございまして、取引価格に差異が設けられたとしましても、それが取引数量の相違に基づくものである場合等におきましては独占禁止法上の問題があるとは言えないと考えております。
 しかしながら、例えば、市場における有力な事業者取引価格について合理的理由なく差別的取扱いをし、差別を受ける相手方競争機能に直接かつ重大な影響を及ぼすことにより公正な競争秩序悪影響を与えるような場合におきましては独占禁止法上問題となり得るというように考えているところでございます。
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○矢倉克夫君 まず、独禁法は、当然ですけど、民民の関係である、だから自由だというところは冒頭としておっしゃっていましたが、そこで競争的な制限があることが、何かあるんじゃないかという問題から規制されているところでありますから、民民だからというところで一律に何かいいような状態は非常に良くないなというふうに思います。
 その上で、しかしながらということでいろいろな事情もおっしゃっていただいた。ちょっとまた時間を改めてこの具体的な事情は申し上げたいというふうに思いますが、例えば今の系列系以外の整備工場というのは、やはり利益に関して部品に占める割合というのが非常に多いわけなんですよね。収益の大半を部品の関係で占めていると。こういう状態でほかのところとこれだけの差が開くというのは経営に相当圧迫がされる状態になります。それぞれが存続するかどうかという大きな問題に今なりつつある。
 その上で、あと自動運転とかもこれからそうですけど、部品なんかは、メーカーそれぞれこの部品をという形で作って試用をした上でそれを発注している、それぞれ代替性がない部品なんですよね。例えばそれについて支給が止められただとか、そういうようなことが起きるとその関係の整備は一切できなくなる。これは死ねと言っているような、に近いような状態にもなり得る可能性もやっぱりあるわけであります。
 時間が終わりましたので、これで終わりますが、これについては是非いろいろ実態調査を様々していただいて、今後また引き続き検討いただきたいというふうに思います。ちょっとこの件についてはまた引き続き質問させていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
Keyphrases
室井邦彦君 日本維新の会・希望の党の室井邦彦でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私も習志野の方に視察をさせていただきました。もうこういう時代に来たのかというのが率直な感想でありましたし、ドライバーは何もしなくてもいいんだけれども、そういう方向で自動運転ということが進んでいるようでありますけれども、一旦事故とかトラブルとか、また起きたときの保険関係とか、これはかえって逆にかなり複雑化されるんだなと、その辺が非常に、これから対応がいろんな新しい局面を迎えるので大変なことだなと、このような率直な感想でありました。
 早速質問させていただきますが、最初は大臣に質問させていただけるようでありますので、この自動運転実用化に向けた、全世界というか国際的議論の動向についてお伺いをしておきたいと思います。
 世界最先端を行く自動技術をまさに世界に広げるために、国際的いろんな議論が出る、その議論リードしていくことを目標にしてこの自動運転に係る政策を今日まで進めてこられたと、そう私は思っておりますが、国際的議論の動向を踏まえながら、この自動運転安全確保に係る制度の検討が更に進められてきたと理解をしておりますが、そこで、この自動運転実用化に向けた制度整備に関し、我が国はこれまでの国際的議論をどうリードをされてきたのか、そしてまた、日本の世界最先端自動技術世界に広げるため、取組をどのようにされてこられたのか、その点をお聞きしておきたいと思います。
Keyphrases
国務大臣(石井啓一君) 自動運転実用化に向けた制度整備に関しましては、我が国の自動技術を反映させた形で国際基準調和を図ることが世界市場展開を行っている日本の自動メーカーにとっても非常に重要であると考えております。
 自動運転車の国際基準につきましては、自動安全環境基準国際調和を図る唯一の場であります国連自動基準調和世界フォーラム、WP29において検討されております。我が国は、国連傘下自動運転車の具体的技術要件を検討する全ての専門家会議等におきまして議長又は副議長を務めるとともに、欧州、米国、中国などの主要国間の調整役を担ってきているところであります。
 一方、国内におきましても、自動運転に関する国際基準策定に関する全体戦略を構築するため、産学官が一体となって技術な議論を行う体制をつくるなどの対応を行ってまいりました。この結果、これまでも自動運転主要技術であります自動ハンドルについて日本から技術要件を提案をし、車線維持車線変更に関する国際基準策定されるなどの成果を上げてきているところであります。
 今後、自動運転車を始め新しい技術がますます発展していく中、日本の技術世界に広げるためには、我が国が国連において更なるプレゼンスを発揮することが重要と考えております。
 国土交通省といたしましては、産学官が密接に連携いたしまして、国連傘下の会議体の議長などの重要なポスト積極的に獲得することによりまして、引き続き国際基準の議論を主導してまいりたいと考えております。
Keyphrases
○室井邦彦君 ありがとうございます。まさに日本が得意とするこの技術の面であります。しっかりと一歩先に、そういう主導的立場をしっかりと進めていただきたい、このように期待をしております。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、この自動運転のまさに実証実験での安全について少しお伺いをしたいと思います。先ほど来いろいろと質問が出ております。重複するところがありますけれども、御理解をしていただきたいと思いますが。
 この自動運転システムの定義とされているこのレベル3、レベル3以上の自動運転について、政府は二〇二〇年目途に実用化に向けた制度整備を図るとしておられます。
 九割以上が運転のミスに起因している交通事故であるということを踏まえ、平成三十年九月、国土交通省自動運転車の安全技術ガイドラインを策定されました。同ガイドラインでは、世界で初めて、自動運転システムが引き起こす人身事故がゼロとなる社会の実現を目指す、このように安全目標を設定をされたわけであります。
 すばらしいことでありますが、世界で初めて人身事故がゼロとなる社会を目指すというこの実用化の意義を明確化したことはもう高く評価をされますし、私もそう感じておりますが、この自動運転実証実験が進むまさにアメリカにおいて安全への懸念などを示す声も存在しているということを聞いております。
 自動運転実証実験への懸念等が示される中で、我が国における自動運転実証実験安全大丈夫なのかと、自動運転実用化ということをどう進めていくのか、お聞きをいたします。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 我が国における自動運転実証実験につきましては、国土交通省では、その安全確保のために、道路運送車両法に基づき、速度、ルート等の走行環境の制限や保安要員の乗車等の安全確保措置を講じることを求めております。
 また、警察庁におきましては、適正かつ安全実証実験の実施を確保するため、実証実験に当たって留意すべき事項等を明確化した自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドラインというものを二〇一六年五月に策定をして、運転席に運転が乗車して周囲の状況等を監視し、緊急時に必要な操作を行うことができること等を求めております。
 以上のように安全措置が講じられることにより、全国各地におきまして適切かつ安全実証実験が実施をされているものと承知をいたしておりまして、この結果、世界各国と比較いたしましても遜色のない高い安全確保されているというふうに認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、今後とも、安全確保最優先としつつ、関係省庁とも連携し、自動運転早期実現に向けた取組を加速化してまいりたいというふうに考えております。
Keyphrases
○室井邦彦君 よろしくお願いいたします。
 続いての質問でありますけれども、先ほど来出ておりましたし、私もこの部分が一番気になる点でありまして、自動運転に対応する研修体制についてしっかりと確認をしておきたいんですが、近年、自動ブレーキなどの自動運転技術の進化、普及が急速に進展しているわけであります。故障した場合には誤作動による重大事故等につながるおそれがあるという心配があります。自動整備技術高度化に伴い、先進技術整備ができる体制先進技術整備の確実な実施を担保するため、自動整備研修、育成が喫緊の課題であると感じております。
 そこで、自動整備白書によると、約四十万人の整備要員数のうち、自動整備資格者は約三十四万人、一級自動整備は一万三百七十三名、二級自動整備は二十七万五千九百二名、三級自動整備は五万二千百六十三名という実態調査、これは平成二十八年の調査の数値でありますけれども。他方で、新技術等の研修に関する従業員ニーズへの対応が不十分であるというふうに指摘をされております。
 自動整備技術高度化が進展していく中で、自動整備人材の確保、育成、業界全体で共有されることが最も重要だと思われますが、自動運転車に対応するこの研修体制拡充強化の取組、今後どのように強化され進められていくのか、お聞きをしたいと思います。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 近年における自動ブレーキ等の先進技術の普及によりまして、これらに対応する整備技術高度化が求められております。このため、国土交通省では、これらの先進技術点検整備のため、有識者のほか関係業界団体が参加する自動車整備技術高度化検討会におきまして、一般の整備工場であっても一定の費用を支払うことにより自動車メーカーが作成する整備要領書を自由に閲覧できるようにする環境の整備、複数の自動車メーカーの車種に対応した汎用スキャンツールの開発と機能拡大の推進、自動車整備に対するスキャンツール研修制度整備拡充といった取組を進めているところでございます。
 この中でも、特に先生御指摘の自動車整備先進技術点検整備に対応するための研修ということにつきましては、検討会において合意されましたプログラムに基づいて、各都道府県の自動車整備振興会が受講生のレベルに応じて多段階のスキャンツール研修を実施をいたしまして全国の整備スキルアップを図るとともに、認証工場において整備統括管理を行う整備主任者に対して運輸支局長等が行う研修において、毎年、技術整備手法について実習も交えて説明を行っております。
 国土交通省といたしましては、自動車技術の進展を踏まえ、引き続き、関係業界と連携して研修内容継続的アップデートするとともに、先ほど述べました取組を総合的に講ずることで、全国の整備工場技術点検整備に対応できるよう、研修体制充実強化に努めてまいります。
Keyphrases
○室井邦彦君 是非、そういう体制をしっかりと確保、先にといいますか、していただかないと、いろんな不安とかそういうものが我々にとっても付いてまとうということになりますので、ひとつよろしく御指導のほどお願いをしたいと思います。
 続いて、業界による適切な完成検査を確保するための取組、この部分も過去いろんな不適切事案がありました。そういうことがないように、平成二十九年の九月以降、完成検査における不適切事案明るみになる中、平成三十年十月、自動車型式指定規則一部改正などが行われました。通達に規定されていた完成検査の選任に係るルールを省令等に規定したほか、完成検査の記録の書換えをできなくするという措置や、型式指定制度の適切な運用のため勧告制度に係る規定を新設する、このようになりました。そして、今回の法改正では、是正措置命令型式指定の効力の停止及び罰則の強化が定められることとなっております。
 国の業者に対するチェック手法強化も大切でありますが、メーカー管理体制コンプライアンスの徹底を含むガバナンスの構築が規制強化実効性を担保する上で最も重要な観点だと思っておりますが、業界による適切な完成検査実施体制を確保するため国交省としてどのような取組を進めてきたのか、お聞きをいたします。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 平成二十九年の秋以降、複数の自動車メーカーにおきまして、完成検査における無資格検査事案でありますとか、排出ガス抜取り検査測定データの書換え事案など、不適切事案が相次いで判明し、コンプライアンス上の不適切事案が続発したことは極めて遺憾でございます。
 国土交通省といたしましては、適切な完成検査の確保のためのタスクフォースにおける中間取りまとめを踏まえまして、完成検査の確実な実施のためのルールの規範性向上の観点から、これはただいま先生から御紹介をいただきましたけれども、平成三十年十月に、道路運送車両法に基づく省令を改正いたしまして、それまで通達において規定していた完成検査の選任に係るルールを省令に盛り込むほか、完成検査の記録を書換えできなくする措置を新たに省令に規定したところでございます。
 これを受けまして、自動車メーカー各社におきましては、この規制強化の施行、今年の六月三十日でございますけれども、に向けまして、完成検査制度の意義、重要性コンプライアンス重視の再徹底を図るほか、完成検査の実態の点検を行い、完成検査の教育等に関する社内ルール見直しでありますとか、完成検査の記録を書換えできなくするようシステムを改修するなどの体制の整備を行っているところでございます。
 さらに、国土交通省としては、今回の道路運送車両法の改正により、強制力のある機動的な措置として是正措置命令を創設すること等により、適切な完成検査の確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 国土交通省といたしましては、これらの措置を確実に施行することに加え、経営層に対する取組状況の聴取でありますとか、効果的立入検査の実施などの取組を通じ、適切な完成検査の確保に努めてまいります。
Keyphrases
○室井邦彦君 いろいろと複雑化される中で国交省も大変でありますけれども、ひとつその点はしっかりと御指導をお願いをしたいと思います。
 それでは、三分までということでありますので、ちょうど最後の質問にさせていただきますが、このワンストップサービス推進について、ossについて、まだまだ普及をされていないようでありまして、この新車新規登録が三一・三%、九十四万件とか、また継続検査で一・九%で二十八・九万件と。こういうossの利用率について、これは非常に効率の良いものであるというふうに思っておりますが、まだまだそういう点では徹底されていないのかなと。実施されているのが四十七都道府県のうち三十八都道府県というようなことにもなっておるようであります。
 このワンストップサービスoss更なる推進に当たっては、自動車検査電子化や運輸支局等への出頭を不要とするということ等が有効であると聞いておりますが、このoss化の進捗状況を踏まえると、ossの普及に向け更なる取組の強化が必要だと思われますが、今後どのように対策を打っていかれるのか、今申し上げた問題もございますけれども、その点を最後にお聞きして、質問を終わります。
Keyphrases
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動車保有関係手続オンラインで一括して申請できるワンストップサービスにつきましては、平成十七年に新車新規登録手続対象サービスを開始いたしまして、平成二十九年四月から対象手続継続検査等に拡大したところでございます。これらの手続でのワンストップサービス利用率は、平成三十一年二月について見てみますと、新車新規登録については四一・二%、継続検査については二四・四%となっております。
 これまで国土交通省では、ワンストップサービス利用促進を図るため、申請方法利用メリットを解説したパンフレットの作成、配布、全国各地における説明会の開催、平成三十年四月以降の検査登録手数料について、書面による場合とワンストップサービス利用した場合に差を設けるなどの取組を行ってきたところでございます。
 今後の取組といたしましては、新車新規登録につきましては、導入時期の違いから地域ごと利用率に差が見られることから、ワンストップサービス利用率が高い地域における利用促進の取組を利用率が低い地域に広く共有してまいりたいというふうに考えております。
 また、継続検査につきましては、ワンストップサービス利用して手続を行った場合でもなお運輸支局等への来訪が必要となることがワンストップサービス利用促進に当たっての課題となっているため、今回、自動車検査を電子化することとし、これにより運輸支局等への来訪を不要とし、ワンストップサービス利用促進を図ることといたしております。
 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じ、ワンストップサービスが更に利用されるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
Keyphrases
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 終わります。
Keyphrases
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 多数の保育園児が巻き込まれた大津の死傷事故高齢者運転で母子が亡くなった池袋での事故市営バス歩行者をはねた神戸の死亡事故など、前方不注意アクセルブレーキ踏み間違いなどミスに起因する死亡事故が多発し、連続をしています。昨日も千葉で、公園内の保育園児や保育士が被害に遭うという事故が起きております。
 自動運転は、利便性効率性だけではなく、人のミスをシステムが補い、より安全性を確保するために開発、普及が進められるべきであります。自動ブレーキ踏み間違い防止機能標準化を求める声も強くあります。
 今回の道路運送車両法の改正案は、レベル3や4といった条件付での自動運転に道を開こうとするものであります。レベル3や4は、道路交通安全性にどのように貢献をし得るのか、またその際留意すべき点は何だとお考えか、これは大臣に伺いたいと思います。
Keyphrases
国務大臣(石井啓一君) 自動運転は、その実現により交通事故の削減、高齢者等の移動手段の確保、物流分野における生産性向上等、我が国が抱える様々な社会課題の解決に大きな役割を果たすことが期待をされております。
 このうち道路交通安全性につきましては、現在、我が国の交通死亡事故発生件数の九割以上が運転の違反に起因することから、自動運転により運転に代わりシステム運転操作を実施することによりまして、こうした運転を原因とする交通事故の大幅な削減が期待をされております。
 今般の改正におきまして、レベル3及びレベル4の自動運転車につきましては、自動運転安全性を担保するため、その性能に応じ、自動運転装置使用可能となる速度、ルート、天候、時間等の走行環境条件国土交通大臣が付すこととしております。
 加えて、レベル3の自動運転車につきましては、システムによる運転の継続が困難になった場合に運転による運転引継ぎが必要となります。このため、自動運転車が安全に使用されるためには、これらの作動条件について自動ユーザー正しく理解することが必要であることから、自動メーカー等に対しまして、販売店を通じた周知徹底オーナーズマニュアルへの記載等について働きかけをしてまいります。
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○山添拓君 自動運転といっても無条件ではなく、高速道路で渋滞中であるとか、あるいは天候や速度など車種ごと条件付で、またその条件を僅かでも外れる場合には人の運転であり、人のミスによる事故も生じ得るということであろうと思います。
 資料をお配りしておりますが、日本は交通事故の死者の約三六%を歩行者が占めると言われます。イギリスは約二五%、アメリカフランスは約一六%、ドイツは約一五%。日本は自転車を合わせますと五割を超えて、これ異常なほど割合が高いと、歩行者の安全策の遅れが指摘をされております。
 大津の事故では、右折車と直進車が衝突し、一方が弾みで歩道に乗り上げました。交差点ガードレールなどの防護柵があれば被害を小さくできたのではないかと、そういう可能性があると指摘されてもおります。
 防護柵の設置基準があるのかどうか、道路局に伺います。
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○政府参考人(池田豊人君) 御指摘の道路の技術基準、道路構造令でございますけれども、それにおきましては、交通事故の防止を図るために必要がある場合に防護柵などの交通安全施設を設けることとされております。
 この防護柵につきましては、交差点部への設置を含め、各道路管理者が個別箇所ごと交通状況などを踏まえ、その設置の必要性について判断していくこととされていると考えております。
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○山添拓君 個別判断ということで、交差点についての具体的な基準はないんですね。
 近畿整備局が公表しております設計便覧は、交差点の整備の在り方について次のように記しています。歩道等の巻き込み部は、隣接する横断歩道間で生じやすい信号等を無視しての歩行者の渡りを防止するために、防護柵若しくは植栽を設ける部分を確保するとされています。
 信号を無視する歩行者を警戒して柵を設置しろと、こうされているわけですが、本来であれば、車両の暴走、道路からの逸脱による事故から歩行者の保護を最優先にするような安全対策とするべきではないかと考えますが、これ、局長、いかがですか。
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○政府参考人(池田豊人君) 今委員御指摘のありました近畿地方整備局のものにつきましては、今お話もありましたけれども、歩行者横断防止を目的としたもので、いわゆるガードレールと言われているものとは構造的にも大分違うものではございます。
 なお、今おっしゃられましたように、歩行者の安全の優先というのはそのとおりであるというふうに考えております。
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○山添拓君 防護柵の設置基準具体化やあるいは信号機の改良など道路側の安全対策、それは検討を更に進めていただきたいと、これは求めておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 続いて、法案について伺います。
 レベル3というのは特定の条件下でのみの自動運転で、人による運転自動運転とを行ったり来たりするものであります。自動運転から人による運転への引継ぎが確実にかつ安全になされるかが大きな課題であります。
 法案では、自動運行装置が使用される条件走行環境条件装置ごとに大臣が設定することとされています。これは、多くの場合には、メーカー車種ごと型式指定の認証を受ける際に保安基準への適合性が確認され、走行環境条件を設定していくということになるかと思います。
 この認証を行うのは、独立行政法人自動技術総合機構自動認証審査部とされます。どのような手続で行われていくのかというのは既に答弁ありましたので、繰り返しをいたしませんが、メーカーが示す条件案を前提として条件の設定をしていくということに恐らくなるんだろうと思うんですね。その際に、公道でのシミュレーションなどを行っていくということなんですが、メーカーが行ったのと同じような、あるいはそれを超えるような、あらゆるシチュエーションについてのチェックをしていくと、こういうことになるんでしょうか。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 保安基準への適合性につきましては、自動型式指定の審査におきまして、シミュレーションテストコース及び公道での走行試験の適切な組合せで確認することで的確に審査を行う予定といたしております。
 具体的には、シミュレーション試験で、走行環境条件内で自車及び周辺車両の加速、減速、車線変更といった挙動や、分合流などの道路環境、天候といった想定され得る様々な走行パターンを収集した上で、その全てにおいて安全に問題がないことシミュレーションで証明することといたしておりますし、また、サンプリング試験シミュレーション作動の適切性を確認するということにいたしております。
 また、先ほどもお答えしましたけど、テストコースでの走行試験、また公道での走行試験についても、それぞれ自動運行装置作動状況を確認することといたしておりまして、メーカーが申請をしてまいりました内容が十分なものであるかということについての審査を確実に行っていきたいというふうに思っております。
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○山添拓君 メーカー任せとせずに厳格な審査とするべきだということを指摘をさせていただきたいと思います。
 この型式指定に関しては、認証を受ける際のデータを偽装した三菱の燃費不正や、スズキスバルなど、無資格者による完成検査保安基準を満たさない自動を生み出す検査不正など、不適切事例が相次いでおります。大量生産を容易にするために、国による一台ごとの検査に代わる型式指定制度を取り、完成検査メーカー任せとしてきました。この下で、複数の企業がより良い性能を偽装したり検査部門の縮小で経費を節減したり、利益優先不正を繰り返してまいりました。自動運行装置についても同様の不正が起こり得ます。
 しかし、レベル3以上は、安全性の確保において求められる水準がこれ質的に異なると私は思います。複雑で高度な技術による人の関与しない運転の安全性を確保するためには、この認証の過程において特別の対策が取られるべきです。ところが、現在、認証を担当する職員は五十六人、検査不正を受けて、厳格化のためにこの間十四人増員されてきたと伺いましたが、人数や知識や経験、体制としてまだまだ不十分なんではないでしょうか。
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○政府参考人(奥田哲也君) 自動技術総合機構では、これまで型式指定審査について、自動メーカーからの手数料によりまして審査要員体制を整備し、審査の厳格や先進技術への対応を踏まえ、増員をしてきたところでございます。
 今般の改正により追加される走行環境条件妥当性の確認を含む自動運行装置に係る型式指定審査につきましては、国連における自動運行装置国際基準でありますとか審査方法の議論を踏まえた手数料を設定することといたしております。また、同じく、今般の改正によりまして、自動運行装置に組み込まれたプログラムの改変による特定改造許可に係る技術審査について、手数料の納付を新たに規定をいたします。
 これらの手数料により今回新たに追加される業務に係る要員体制を整備することとなりますが、自動審査高度化審査件数見通しを踏まえて、自動技術総合機構においてより柔軟な人員配置を行っていくことについて検討してまいるとともに、必要なそういった技術への対応が可能な人材をしっかり確保していくということと、あと、機構の中には、まず技術基準を作る部門と、それから型式指定をする部門と、車検をする部門と、またリコールを行う部門と、大きく、先生御案内かと思いますが、ございますので、こういった部門が横連携を密に行うことによってそういった審査も確実に行っていくということをやってまいりたいということでございます。
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○山添拓君 国交省は、二〇一七年から、衝突被害軽減ブレーキいわゆる自動ブレーキ不具合情報を収集しております。一年で三百四十件の不具合情報があり、装置が十分に作動しなかった例が八十八件、うち七十二件が接触や追突など事故につながったとされています。この七十二件はいかなる原因によるものでしたか。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 今お尋ねの七十二件の内容を精査した結果、車両の故障や欠陥が原因であったものはなかったというふうに聞いております。整備不良でありますとか設計、製造に関連するものはなく、作動条件外での使用や速度超過よそ見などが原因とされております。
 なお、自動ブレーキには作動対象検知方式が主に三種類ありまして、それらの特性に応じて、走行中の周囲の環境や路面の状況等によって障害物検知や衝突の回避に、状況が変わってまいります場合がございますので、七十二件はユーザーがこういった前提を十分に理解していなかった場合もあるのではないのかなというふうに推察をいたしております。
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○山添拓君 ユーザーが十分に理解していなかったと。これ、私どもに説明いただいた際にはユーザーの過信だというふうに繰り返しておっしゃっていたんですが、過信といっても、コマーシャルでは自動ブレーキとして宣伝されてきたものが今は衝突被害軽減ブレーキという言い方に変えられて、国民生活センターが、あらゆる状況での衝突を防ぐ装置ではありません、車種ごとに性能や作動条件は異なります、こういう警鐘を鳴らしているように、自動ブレーキという名前のイメージが先行して作動条件について正確な周知がされてこなかった結果であります。レベル3についても、自動運転条件ドライバーが正確に把握し、理解をし、この条件を外れる場合には間髪なく人による運転に引き継げるようにすることが不可欠であります。
 国交省は、先ほどもお話あったように、メーカーに対して販売店を通じた周知徹底オーナーズマニュアルへの記載を働きかけるとしています。しかし、自動ブレーキで多くの過信を生んだことを肝に銘ずるべきだと思います。特に自動というのは、レンタカーカーシェア中古車のように、ディーラーからの説明を受ける機会のない多数不特定の者が運転するケースがあり得ます。こうした場合にも、自動運転車の性能、走行環境条件周知徹底することが必要だと考えますが、どのようにされるんですか。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 先生御指摘いただきましたように、レベル3及び4の自動運転車につきましては、今般の改正により、自動運転安全性を担保するため、その性能に応じ、自動運行装置使用可能となる速度、ルート、天候、時間等の走行環境条件国土交通大臣が付すとともに、自動運転車が安全に使用されるために走行環境条件の内容や運転による運転操作引継ぎが必要となる場合があることなど、その機能についてユーザー正しく理解することが必要で、その周知徹底を図るということでございます。
 御指摘のように、自動ユーザーにおきましては、レンタカーカーシェアリングなど自ら保有しない車両を運転する場合や中古車を購入するといった機会があるため、このようなユーザーに対してもこれらの注意点について正しく周知することが重要であるというふうに考えております。
 このため、レンタカーカーシェアリングにおきましてはレンタカー会社等が車両を貸し渡す際にユーザーに対して、中古車においてはその販売時に購入者に対して、走行環境条件等の注意点ユーザーに適切に説明するよう、関係団体等を通じて指導してまいりたいというふうに考えております。
 国土交通省といたしましては、これらの取組を通じて、レンタカー中古車ユーザーも含めて、走行環境条件の内容等が正しく周知されるよう取り組んでまいります。
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○山添拓君 やはり、どのような状況、条件の下で自動運転が作動するのか、そして、それは作動しなくなるのはどのようなケースなのかということを正確に理解をして運転をすることが不可欠だと思いますので、現在の取組の延長では済まされない対策が必要だということを指摘させていただきたいと思います。
 先ほど来指摘がされておりますように、自動運行装置センサーが正確に機能することが前提とされております。質問もさせていただこうと思っておりましたが時間が参りましたので省略をしたいと思いますが、そのセンサーの点検や整備スキャンツール不可欠とされ、私も昨日自動整備工場の方から話を伺った際には、センサースキャンコードを可能な限り各社共通にするなど、安全かつ簡易な仕組みにしてほしいという意見を伺いました。是非それに応えていただきたいと思いますし、国交省エーミング作業体験会で出された、エーミングの間違った調整によって誤作動や事故の可能性が出てくることが不安だ、こういう声は多くの整備事業者の率直な感想だと思います。
 自動整備を支えている町場の中小整備工場の立場に寄り添う対応を求めまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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○委員長(羽田雄一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、二之湯武史君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。
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平山佐知子君 無所属クラブ平山佐知子です。
 私も先日視察に参加させていただきまして、道中助手席に座らせていただいて、まさに間近に自動運転レベル2を見させていただいて、いよいよこの自動運転現実化しているんだなというふうにわくわくした一方で、また、その車はカメラレーダーと二つで、ダブルで周囲を確認をしているということでしたけれども、そのセンサー類によってどこまで周囲を確認できるかというふうに伺ったときに、三百六十度確認できるということでありました。まさに、人の目だけでは確認できないような範囲も認知できるということで、これによって事故も減らせるんじゃないかなというふうに改めて期待したところでございます。
 その中で疑問点もございますので、幾つか質問してまいりたいというふうに思います。
 本改正案は、自動運転レベル3と4を想定しているということですけれども、まずは、現在も実用化されているこのレベル1の自動ブレーキについて伺ってまいります。
 政府は、二〇二〇年までに新車乗用車自動ブレーキの搭載率を九割以上にするという目標を掲げていますけれども、現在、国内登録されている乗用車の中で自動ブレーキの搭載率はどのくらいになっているのか教えてください。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 国土交通省では、衝突被害軽減ブレーキいわゆる自動ブレーキなどの先進安全技術搭載した安全運転サポート車につきまして、官民を挙げて普及啓発を図ることによりその普及促進に取り組んでおります。この結果、衝突被害軽減ブレーキ新車乗用車搭載率につきましては、二〇一七年では七七・八%となっておりまして、二〇二〇年までに九割以上とするという政府目標の達成に向けて着実に普及が進んでいるというふうに認識をいたしております。
 このような中、現在、国内で保有されている乗用車のうち、衝突被害軽減ブレーキ搭載している車両の割合につきましては、過去の新車乗用車搭載台数からおおよその割合を推計いたしますと、一割から二割の間に達しているものと考えております。
 国土交通省といたしましては、引き続き交通事故の削減に向けまして、衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術導入促進普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
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○平山佐知子君 その自動ブレーキ、それから誤発進抑制装置の不具合がその中で報告された件数、それからそれに伴って起きてしまった事故の件数を教えていただきたいと思います。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 国土交通省では、リコール制度におけます適切かつ迅速な改善措置の実施を図るため、自動メーカーに対しまして不具合情報四半期ごとに報告するように指示をいたしております。また、国土交通省では、同様の目的から、警察庁、消費者庁等の行政機関や一般の自動ユーザーの方々からも広く不具合情報を受け付けております。
 平成二十九年に国土交通省に寄せられましたこれらの不具合情報は、必ずしも車両の故障や欠陥に当たらないものも含まれておりますが、八千七百件ほどございます。八千七百件の不具合情報のうち、乗用車自動ブレーキに関する不具合情報を抽出した結果、三百四十件ございました。この中で、運転者等から事故と関連のあったものと申告のあった不具合情報は八十二件となってございます。
 また、同様に、八千七百件の不具合情報のうち、乗用車ペダル踏み間違い時加速抑制装置に関する不具合情報を抽出した結果、十八件ございました。この中で、運転者等から事故と関連のあったものと申告のあった不具合情報は十七件となってございます。
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○平山佐知子君 もちろん、自動運転、冒頭でも申し上げましたけれども、期待する一方で、完全に正確な数字とは言えないにしろ、そういう不具合ですとか事故の件数を聞きますと、やはり機械にこの命を任せて走行することになるわけですから心配な点もございます。やはり大切なのは、不具合が起きないように日頃からの点検、それから車両整備がしっかりできるかどうか、これに懸かっているというふうに思います。
 本改正案では、現行の分解整備の範囲を拡大するとともに、特定整備と名称を変更して、取り外しを伴わない整備、改造などを新たに追加するということです。
 自動運転の際には、言わば目の役割を果たすカメラレーダーなどのセンサー類がしっかりと機能するかどうか、これが一番重要だというふうに考えておりまして、この安全を確保するためには、自動整備、これは無資格者に任せるのではなくて、今の制度と同様に、自動整備士の技能検定に合格した人の統括管理の下で行う、これは必須条件とすべきだというふうに思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、分解整備の範囲を拡大いたしまして特定整備に改めることによりまして、近年普及が進みます自動ブレーキカメラレーダーの調整など、取り外しを伴わなくても、安全上重要な影響を及ぼす整備又は改造についても事業の認証を義務付けることといたしております。
 これらの整備作業につきましても、分解整備作業と同様、適切に実施されない場合、重大な事故につながるおそれがあることから、従来の分解整備と同様、整備作業を行う従業員最低人数とそのうち自動整備資格を有する者の割合を定めるとともに、しかるべき資格を有する者の中から整備主任者の選任を義務付ける必要があるものと考えております。
 国土交通省では、新たに対象となる特定整備を行う事業者の認証におきましても、従来の分解整備と同様、高度な知識、技能を持った自動整備統括管理の下で整備作業が行われるよう、本法案の成立後、必要な要件を省令にて定めることといたしております。
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○平山佐知子君 自動整備が働く自動整備工場いわゆるモータースなどでは、多くのメーカーのあらゆる車種をこれは整備をしなければなりません。その車種を整備するためには、より多くの情報を手に入れて、自動の性能が上がればそれに伴って整備の技術も高くしていく必要があって、これ大変なことだというふうに思っています。
 現在、自動整備技能検定試験ですけれども、一級整備から特殊整備の四段階で、全十四種類と多岐にわたっています。これから自動運転に係る車両整備が増えていくことが予想されますけれども、今後、技能検定試験の種類ですとか内容などを見直していくのかどうか、お伺いいたします。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御紹介いただきましたけれども、自動車整備資格は、技能水準でありますとか取り扱う自動車の種類でありますとか作業の範囲に応じまして、全十四種類に分類されております。
 一方、近年、自動ブレーキ等の先進技術を搭載した自動車が普及してきておりまして、これらの先進技術点検整備に当たりましては、これまでの整備に必要な知識、技能に加えて、スキャンツールを使った自動ブレーキ等のカメラレーダーの調整といった新たな作業に対応する能力が求められるところでありまして、国土交通省といたしましても、これらを踏まえた自動車整備資格見直しが必要であるというふうに認識をいたしております。
 このため、国土交通省では、これらの先進技術整備に必要な知識、技能を備える自動車整備を念頭に、自動車整備資格体系自動車整備養成施設の訓練プログラム等について検討することとし、今年度、そのために必要な調査費を確保いたしております。
 国土交通省といたしましては、この調査結果も踏まえまして、今後新たに自動車整備資格を取得する者が先進技術整備に必要な知識、技能を有することが確保されるよう、関係業界の意見も伺いながら、自動車整備資格体系について必要な制度整備を進めてまいります。
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○平山佐知子君 自動車整備業者のやはり業務というのはますます大変になってくるのかなというふうに改めて思っているところですけれども、しかし、既に現段階で、自動車整備事業者には本来業務自動車整備以外にも行わなければならない大変な業務があるというふうに伺っています。
 例えば、おととしから全国で施行された継続検査ワンストップサービスでは、指定自動車整備事業者が重量税や検査手数料をダイレクト納付する制度となっていることから、事実上自動車関係諸税の徴税、それから納税を代行しています。時には自動車ユーザーの都合で重量税を一時的に立て替える場合もあって、これは大変な負担になっているということです。また、自動車税それから軽自動車税については、自動車整備事業者が事前に自動車ユーザーに確認しても、ユーザー勘違い納税されておらず、検査場で検査証の更新が拒否されることもあるということなんです。
 自動車整備事業者自動車所有者等の同意を得た上で、例えばインターネットなどで事前に自動車税ですとか軽自動車税の納付状況を確認できればこのような事態は避けられるというふうに思うんですけれども、そのようなシステムの開発は検討されていないのかどうか。特に、本改正案において車検証電子化されますけれども、電子化された車検証icチップ空き容量を様々に利活用できるというふうにしています。ただし、車検証電子化は公布日から四年以内と時間が掛かるようで、もっと早ければいいんですけれども、遅くともそれまでには電子化された車検証を使ってこの自動車税ですとか軽自動車税の納税状況の確認ができるようにしていただきたいというふうに思うんですが、これは大臣、いかがでしょうか。
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国務大臣(石井啓一君) 自動車整備事業者継続検査申請前自動車税及び軽自動車税の納付状況を確認することを可能とすることは、申請後に税の未納付が判明をし自動車検査の返付を受けられないという事態を避けることができる点で、自動車整備事業者負担軽減に資するものと考えております。
 一方、このようなシステム構築につきましては、第三者による税納付情報の取扱いシステム構築に係るコスト負担等の課題について関係機関や地方公共団体等の意見を踏まえながら検討していくことが必要と考えております。
 また、自動車検査電子化におきましては、多様なサービスの創出に向けまして自動車検査icチップ空き領域を設定をし、これを利活用することとしておりまして、その具体的利活用方策につきまして、今年度自動車検査電子化に関する検討会において検討することとしております。
 国土交通省といたしましては、検討会における議論を踏まえつつ、自動車整備事業者における自動車保有関係手続に係る負担軽減に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
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○平山佐知子君 大臣、是非現場目線でまたいろいろ考えていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 そういう点では、実に自動車保有台数の四割を超えた自動車ですけれども、いまだ車検のときには紙の納税証明書の提示が必要だということです。検査対象自動車車検証の電子化施行時期は、それらを除く自動車車検証の電子化よりも更に一年六か月遅れるというふうに伺っています。自動車車検証の電子化とともに自動車税の納付状況が確認できるシステム早期構築も、またこれは併せてお願いを申し上げます。
 最後に。自動車技能総合機構検査コースが削減されて、それに伴って自動車検要員の数も減らされているというふうに聞いています。また今後、obd検査の導入も予定されまして、ますますこの自動車車検官、それから自動車整備業者の負担が大きくなるのではというふうな心配もございます。今後は、自動車技術総合機構検査コースの増設、それから自動車車検要員の増員などが必要だというふうに考えるのですが、これについてお答えいただけますでしょうか。
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○政府参考人(奥田哲也君) お答えいたします。
 自動車技術総合機構では、自動車検査に要する時間として、一台当たり乗用車では約九分半、トラックでは約十二分となっているところでありますが、今後、電子的な検査を導入するに向かいましてどの程度の時間が掛かるのかということを機構が模擬検査いたしましたところ、車両にスキャンツールコネクターを挿入するため約一分、加えてスキャンツールにより記録された故障コードを読み出すためおおむね一から五分程度を要するといった結果が得られましたことから、車検場の混雑を防止するため全体検査時間を増加させない対策について検討する必要があるものと認識をいたしております。
 この点につきましては、電子的な検査の手法を検討した検討会では、機構検査時間の増大を防ぐため、他の項目の検査を行っている間に故障コード読み出し合否判定を完了できるよう無線方式スキャンツールの開発と、それを用いた検査手順の検討を行うことが提言されておりまして、機構においては、今後、この提言を踏まえ、必要な設備、機器の開発や検査手順を定める事務規定の策定等を進めることといたしております。
 あと、検査コースについてのお話がございましたけれども、これまでも機構の各事務所におけます年間の検査台数に応じまして適宜見直しを行ってまいりました。今後も、検査台数が例えば増加した場合には、必要なコースの増設等について検討を行う予定でございます。
 いずれにいたしましても、国土交通省では、今後obdを用いた電子的な検査の導入に当たりまして受検者の負担が増大することのないよう機構を指導してまいりたいというふうに考えております。
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○平山佐知子君 ありがとうございます。
 是非、現場目線、国民の生活の安全の確保という視点で様々検討をいただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
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○委員長(羽田雄一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、矢倉克夫君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君が選任されました。
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○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。
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○青木愛君 私は、ただいま可決されました道路運送車両法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党日本維新の会・希望の党、日本共産党及び無所属クラブ各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    道路運送車両法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 自動運転に対する社会受容性を高めるため、自動運転車に対する国民の理解・安心感の向上に資する取組を着実に推進すること。
 二 自動運転技術に起因するこれまで予測し得なかった新たな事故原因究明及び再発防止を迅速かつ適確に行うため、自動運行装置作動状況運転状況等の記録を収集し、有効に活用できるよう国において必要な措置を講ずるとともに、国際基準策定に係る動向を踏まえつつ、サイバーセキュリティの確保に向けた取組を進めること。
 三 自動事故原因究明に資するため、ドライブレコーダー等の車外映像運転操作状況記録装置の設置率の向上に向けた取組を着実に推進すること。
 四 高齢運転等による自動事故を踏まえ、衝突被害軽減ブレーキペダル踏み間違い時加速抑制装置などの先進安全技術を搭載した自動について、技術の評価を適切に行い、その普及に一層努めるとともに、未搭載車への先進安全技術に係るシステム後付けに関し、対応車種拡大などその普及について検討すること。なお、従来からのマニュアル車のユーザーに係る利便性の確保にも留意して進めること。
 五 自動検査に必要な技術情報の管理に関する事務を独立行政法人自動技術総合機構に行わせるに当たっては、指定自動整備事業者等において電子的な検査が確実に行われる環境が確保されるように指導すること。また、同機構が行う自動運行装置等の複雑なプログラムにより作動する電子制御装置及びサイバーセキュリティに関する基準適合性審査や、不具合情報に基づく技術な検証を始め、急速に進化する世界最先端自動技術に後追いとならず迅速に対応した審査等を適確に実施するために必要な体制の整備に万全を期すこと。
 六 分解整備範囲拡大に当たっては、自動整備の養成、研修の充実を図り、自動整備要員の確保と整備技術の向上に遺憾なきを期すこと。
 七 自動製作者等における完成検査不適切取扱いを根絶するため、本法により創設される是正命令措置等を必要に応じて実施することに加え、効果的な監査の実施等により、自動型式指定制度の適正な運用に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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○委員長(羽田雄一郎君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
Keyphrases
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣
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国務大臣(石井啓一君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいま附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
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○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
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